「タニモク」活用事例集<企業、学校、コミュニティ>
こんにちは!「タニモク」編集部です。
他人に目標をたててもらうワークショップ「タニモク」は、リリースから5年を迎えました。さまざまな方に活用いただく中で、「タニモク」を開催したい方からの質問も増えています。
今回は、企業やコミュニティで「タニモク」を主催する際に、「開催規模が似ている別のコミュニティでは、どんな工夫をしているの?」「同じシーンで活用した企業の話を聞いてみたい」と考える方に向けて、これまでのインタビュー記事をまとめてご紹介します。
企業での「タニモク」事例集
株式会社ADKホールディングス
株式会社ADKホールディングスでは、配属先決定後の新入社員に必要となる自己肯定感や自己効力感を上げるサポートや、同期同士で支えあえる環境づくりを目指して「タニモク」を活用しました。新型コロナウイルスの影響で初めて緊急事態宣言が発令された時期、急遽オンラインで新人研修を行う際に「タニモク」に目を留めていただきました。
同社での課題は、リモートワークによるコミュニケーション不足により、同期の関係が希薄になってしまうことや、周囲の働き方が見えずにエンジンがかかりにくいこと。今では慣れているオンライン上でのワークショップですが、初めて開催する際に参考にしたい準備や場の温め方などをお話いただきました。
株式会社I-ne
株式会社I-neでは、次年度入社予定の内定者研修として「タニモク」を実施しました。内定者が顔合わせをするタイミングで、内定者同士の関係構築とモチベーション高く入社するための目標づくりとして企画されたそうです。
限られた時間でお互いの経験や個性、強み、弱みなどを幅広く理解するために、事前課題に取り組んでもらうなど、スムーズな進行につながるコツも紹介しています。同社では、「タニモク」を行うことで、内定者が自発的に課題を考え取り組むようになっただけでなく、お互いにフィードバックを行う習慣ができたそうです。
株式会社はたらクリエイト
「タニモク」が同社のミッションである「はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす」ことにつながると考えて開催。業務をする上で関わりが少ないメンバー同士の交流を深めたいという想いから、他拠点や他案件のメンバーが混ざるようにグループ分けをしました。開催当日は、急な欠席者が出た場合に備えてサポートメンバーを確保するなど事前の準備も入念に行っています。
参加者からは、「自分の考えを整理する時間になった」「自分1人では思いつかないものが多かった」「自分が前々から考えていた目標が提案されたことで、背中を押してもらえた」などポジティブな感想が集まりました。
株式会社秋田銀行
株式会社秋田銀行が主催する「〈あきぎん〉ビジネスコンテスト 2021-2022」のプレイベントの一部として「タニモク」が行われました。イベントの前半は神戸大学大学院経営学研究科の吉田満梨准教授による講演を、後半に「タニモク」ワークショップを行っています。
思考のアウトプットやフィードバックのきっかけづくり、起業家コミュニティの活性化を目的とし、テーマは「目標をたてる」という形ではなく、「他人の視点でビジネスアイデアを磨く」にアレンジして設定しました。イベントの趣旨や対象者、構成に合わせてアレンジされた「タニモク」をご紹介しています。
パーソルキャリア株式会社
「タニモク」を提供するパーソルキャリア株式会社には、「タニモク」を介して目標をサポートするコミュニティ「モクサポ」という組織があります。同社のバリューの1つでもある「成長マインド」を高めていく取り組みの1つとして運用しているそうです。
「モクサポ」誕生のきっかけ、実施内容や工夫はこちらからご覧いただけます。また、記事の中では、「タニモク」×「モクサポ」をきっかけにキャリアチェンジをした体験談もあります。
「モクサポ」で働きがいを見出した3名にお話を伺いました。インタビュー当時入社2年目~5年目の女性社員のみなさんが、「タニモク」と出会ったことで変化したことを語ってくれました。
同社が経営戦略本部のキックオフで「タニモク」を活用した事例もあります。キックオフで行う1つのワークのため、通常の「タニモク」よりもコンパクトに1時間で実施。事前宿題を用意するなど短時間で開催する心得などを紹介しています。
一人ひとりの仕事や悩みが見えにくいオンラインでのキックオフで、組織としての一体感が高まりにくいという課題に対し、どのように準備や働きかけを行ったのかまとめました。
学校での「タニモク」事例集
東京都立科学技術高等学校
東京都初の科学技術科が設立された東京都立科学技術高等学校。当時はまだβ版だった「タニモク」に着目していただき、2017年から授業内で「タニモク」を活用いただいています。科学技術科を持つ進学型専門高校である同校には、分野を越えた関わりが難しく、各専門分野ごとに分断されてしまう課題がありました。同じ高校へ進学した生徒たちに、他人に興味を持ってもらうことや、主体性を伸ばしてほしいと考え、自己理解と他者理解、関係性構築のために「タニモク」を取り入れたといいます。
記事の中では、森田直之先生にお伺いした関係性構築前の高校生たちが対話するための工夫や、授業時間に合わせてアレンジしたタイムテーブルをご紹介しています。多人数開催時の工夫や運営メンバーの関わり方、生徒への働きかけに関する内容は、初対面同士の「タニモク」開催時の参考になるといえるでしょう。
島根県立隠岐島前高等学校
隠岐諸島・海士町に位置し、島前地域出身者と県外・海外を含めた島外出身者が協働しながら高校生活を送る島根県立隠岐島前高等学校からは、「タニモク」を行うグループ「BEYOND」のみなさんにお話を伺いました。
BEYONDのみなさんは、「タニモク」で年間目標をたてた後に「目標達成までの期間が長い」「忘れてしまう」という感覚があったため、年間目標とは別に、週ごとに目標を決めて進捗を報告し合う『1週間「タニモク」』をスタートしました。「タニモク」をやった後、目標をたてただけで終わらせないための振り返りや行動を継続するための工夫もお話いただきました。
スナックレモネード
スナックレモネードとは、関西学院大学ビジネススクールの授業「エフェクチュエーション」から生まれた日本で唯一のエフェクチュエーション実践サロンです。大学の授業で実施した「タニモク」をきっかけに、公式「タニモク」にも参加した垣内健祐さんは、アレンジを加えた「タニモク」を実施されています。
「タニモク」を実施する上で、自分らしさを大切にし、お互いに素の自分を見せ合うことを意識されています。メンバー間の心理的安全性を担保するための工夫や、「タニモク」でたてた目標を行動に移し、継続するためのサイクルの回し方もご紹介しています。
東京大学
東大生に新しい視点を持ってもらったり、新しく面白いことを経験してもらったりしてほしいという想いで発足した「面白いことプロジェクト」は、社会人と学生が出会える場を作るイベントを運営しています。大学の講義をきっかけに開催した「タニモク」では、実施前には主催者自らが体験した上でコンセプトを考え、学生生活と「タニモク」をどう紐付けられるかをテーマに話し合って企画を進めていきました。
参加後のアンケートによると、「視野が広がった」と回答した方が100%、「継続的に参加を希望する」方が77%と満足度の高いワークショップになりました。開催後に運営メンバーで行った振り返り会や、未来に向けた構想についても伺っています。
コミュニティでの「タニモク」事例集
海外駐在員のグループ
アメリカ合衆国でそれぞれ駐在員として働くビジネスパーソン同士が行う「タニモク」コミュニティがあります。メンバーの1人が所属するインキュベーション施設にて、オフライン開催された「タニモク」ワークショップの事例です。
「タニモク」アンバサダーの粟島亨さんがファシリテーションをし、シリコンバレーに駐在するという共通点を持ったメンバー同士が、会社の垣根を越えて対話を繰り広げます。オフライン開催ならではの雰囲気づくりや細やかな工夫は、今後対面で「タニモク」を行いたい方にも参考になると思います。
ほどよい距離感の3人組
正規版がリリースされる前の「タニモク」に参加した河原さんと藤田さんが若宮さんを誘い、3名での「タニモク」がスタートしました。同じメンバーで定期的に開催することで得られる、1回で終わらない価値などをお話いただきました。
継続していく中で独自のアレンジが加わり、3人流の「タニモク」を行っているそうです。記事の中では、自分たちを適度な距離で回っている衛星に例えて、心理的安全性の高い関係性についてもお話いただきました。
アスリート同士
アスリート向けのキャリア教育講座「アスリートキャリアアカデミー」は、全12回の講座を通じてアスリートが自身で目標設定ができるカリキュラムを探していたところ、「タニモク」に出会います。競技に注力してきたアスリートが抱える自己分析やセカンドキャリアを考えるといった課題に対し、「タニモク」でどのようにアプローチしていくかを記事化しました。
約3カ月続く講座のどの位置で「タニモク」を行うとより効果的か考え、内省やアウトプット、参加者同士の交流につながるよう設計されています。
地域複業ツアーの参加者
コワーキングスペース&シェアオフィスの「ワークテラス佐久」とJR東日本が連携し、地域複業ツアーのプログラムの1つとして「タニモク」を開催しました。ツアー開催前の参加者同士の交流のきっかけを目的に「タニモク」を開催したところ、初対面の方との交流にはとても有効との感想をいただきました。
ツアーで実際に対面する前に「タニモク」を実施することでそれぞれの熱量が高まり、参加者同士のつながりが強くなったといいます。これから一緒にプロジェクトを始める初対面同士の関係性構築として「タニモク」を活用したいと考えている方にも届けたい内容です。
編集部より
ご紹介した通り、「タニモク」は多様なシーンや属性の方が活用しやすいワークショップです。公式ホームページで公開しているマニュアル通りに進めるのはもちろんですが、主催するみなさんからアレンジを加えてもらっても問題ありません。今回ご紹介した事例をご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。今後もたくさんの活用事例をご紹介させていただくため、みなさんが「タニモク」を主催した際は、ぜひナレッジを共有してくださいね。
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