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【活用事例】地域複業ツアーのファーストステップに。「タニモク」が初対面の方々をつなぎます

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
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こんにちは!「タニモク」編集部です。
noteでは、「タニモク」を主催された方々にお話を伺い、「タニモク」を取り入れたきっかけや背景、活用方法、得られた効果、今後の活用法などをご紹介しています。

今回は、コワーキングスペース&シェアオフィスのワークテラス佐久で行われた事例を取り上げます。ワークテラス佐久が、地方移住を検討している方や複業に興味がある方に向けた宿泊ツアーのワークのひとつとして実施した「タニモク」について、運営に携わったみなさんにお話を伺いました。

【お話いただいた方】
・柳澤拓道さん
コワーキングスペース&シェアオフィス ワークテラス佐久 まちづくりコーディネーター
2020年、東京から家族で佐久市に移住。移住検討者向けツアーや地域複業創出事業YOBOZE!、地域アートなど、地域の可能性に向き合い多様なプロジェクトを推進している。

・扇本英樹さん
株式会社Sparks 代表取締役
「長期資産としてのブランドを構築し、クライアントのビジネスに貢献する」をミッションに掲げ、企業ブランディングに尽力。対話を通して顧客の思考を深め、価値を言語化し、世に出すサービスを手掛けている。

・寺田菜々美さん
東日本旅客鉄道株式会社 長野支社 総務部 企画室 
地域企業や団体、自治体と連携した長野県内の地域創生事業の企画に従事。移住や他拠点居住による関係人口創出、観光需要に関するマーケティングなどを担当している。


ワークテラス佐久とは

今回「タニモク」を主催したワークテラス佐久は、長野県佐久市にあるコワーキングスペース&シェアオフィスです。2020年4月にオープンしました。長野県佐久市周辺は、東京駅から新幹線で約70分と都心部からアクセスしやすく、全国から移住する方が増えているエリアです。そんな風土の中、ワークテラス佐久は起業する人やモノづくりに打ち込む人、フリーランスで働く人などが集まる場となり、テレワーク・複業推進を通じてたくさんの関わりを生む場所として注目を集めています。移住者向けツアー、アートや農業とのコラボ活動など、 “新しいコトが、ココから生まれる”を目指し、さまざまなプロジェクトを行っています。


「タニモク」実施のきっかけ

ーワークテラス佐久で、「タニモク」を実施することになった背景を聞かせてください。

柳澤さん:地方創生の仕事の中で、JR東日本さんと地域のコワーキングスペースとしてのワークテラス佐久が連携をして、首都圏との関係人口を創出していこうという話がありました。そのプロジェクトのひとつとして、地域複業のスタートアップをテーマとしたツアーを企画し、運営することになりました。

参加者が実際に佐久に来る前に、オンラインでそもそもなぜ地域に関わりたいのか言語化しながら、参加者同士が仲良くなるきっかけができればいいな、と思っていたんです。

寺田さん:3人でそれにはどういうワークがいいか話し合っているときに、扇本さんから「タニモク」のご提案がありました。

ー扇本さんは「タニモク」をご存知だったのですか?

扇本さん:私自身が仕事でファシリテーションをすることが多いので、「タニモク」は2019年頃から知っていました。これまでにオフラインで3回ほどファシリテーターとして「タニモク」を実施したことがあったんです。「タニモク」は、横のつながりのない方同士がお互いを知り、さらに主人公になった人は自分についてこれまで語ったことのないことを語って、その人自身も気付いていなかった新しい自分を知ることができるんですよね。自分の体験としても、良いプログラムだと思っています。

寺田さん:実は私も「タニモク」を知っていたので、扇本さんから「タニモク」のご提案があったとき、びっくりしたんです!

以前東京で働いていた時、パーソルキャリア主催の公式「タニモク」に参加したことがありました。その場で初めて会った方と実際に「タニモク」をすることで、初対面の方との交流にはとても有効だと実感しています。長野市に転勤してからも、移住してきた方などと「タニモク」を何回かやっていました。

ーお二人が「タニモク」のご経験があり、今回の活用にスムーズにつながったんですね。


「タニモク」に期待したこと

ー「タニモク」の良さをご存知とのことでしたが、今回のワークではどのような期待を持ちましたか?

寺田さん:オンラインで「タニモク」をやった後、2泊3日のツアーで参加者同士が実際に初めて会った時に、「あ!あの時の○○さん!お会いしたいと思っていたんです!」という状況を作りたいというのが、私たち3人の共通認識でした。

扇本さん:これまでの経験上、ツアー前に参加者同士のワークとして取り入れれば、きっと良い効果が生まれるとは考えていました。今回も実際に参加者同士の交流と自分自身の新しい発見につながればいいなと思っていました。


ワークテラス佐久流の「タニモク」

◆実施時期:2021年1月30日
◆対象者:地域複業ツアーの参加者
◆参加人数:10名。3グループに分けて実施
◆実施方法:オンライン

ー実際にどんな方が参加し、どのような方法で開催したのですか?

柳澤さん:対象はツアー参加者で、移住を検討していたり、地域との関わりを持ちたいと思ったりしている方が中心でした。20代後半から30代の方が多く、男女比は男性の方が若干多かったですね。

扇本さん:参加者10名を3グループに分けました。オンラインで各グループに分かれたときに、私たち3人もひとりずつ各グループにファシリテーターとして入ったのですが、長野や佐久に愛情のある運営メンバーが各グループに入ったことで、参加者の熱量が上がったと感じました。これからツアーで佐久に来る参加者の中には初めて佐久に来る方もいらっしゃったので、この地を知るメンバーが運営側としてのアドバイスをしながら一緒に交流できたのが良い点だったと感じます。


開催時に意識したポイント

ー「タニモク」を実施するにあたって、意識したことを教えてください。

扇本さん:私自身として「タニモク」をオンラインで実施することが初めてだったので、どのような方法が良いのかなと考えた時、目標シートを参加者がPCで共有できるスライドにして、みなさんにPC上で書き込んでいただきました。

ー通常ですと、A4の紙1枚に書いてもらうところを、オンラインならではのスライドを使用したんですね。他に意識したポイントはありますか?

寺田さん:開催時間を短くしたことでしょうか。参加者のみなさんが社会人でお忙しいことを考慮しました。「タニモク」のフルコースだとかなり時間がかかるので、全体の時間を1時間30分ほどに短縮しました。

扇本さん:そうですね。「タニモク」のマニュアルだと1人あたり30分を確保することが望ましいとのことですが、今回は1人あたり15分で設定し、全体を通して1時間30分ほどで終わるスケジュールにしました。

1人あたりのタイムテーブル
・主人公が自分の説明をする 3分
・質疑応答をする 5分
・主人公の目標を考える 4分
・主人公にプレゼンテーションをする 3分

ー時間をコンパクトにすることで、参加者の方が時間内に考えたり、書き切れなかったりといった場面はありましたか?

扇本さん:みなさん、他の方の話を聞きながらPC上にどんどん書き込んでいき、とてもスムーズに進みました。

寺田さん:私が入ったグループもみなさんすらすらと書いていましたね。中には、時間が足りなくて最後に「これだけは言わせてください!」っておっしゃった方もいたので、時間を短くしすぎたかなとも思いました。でもそれが逆に、ツアーで他の人に会いたい想いが増したのではないかと感じたので、全体を振り返ると良い時間設定でしたね。

柳澤さん:私が加わったグループもみなさん自主的にどんどん進めていらっしゃいました。


「タニモク」で得られた効果

ー実際に「タニモク」をやってみて、得られたことはありますか?

寺田さん:参加者が佐久に集まったときにも、いくつかのワークを行ったのですが、ツアーの前に「タニモク」をやっていたことで、みなさん会ったときから、初対面にありがちな硬い空気感みたいなものがありませんでした。ツアーの最初からエンジンがかかった状態でスタートできたのがありがたかったですね。

ーツアー前のファーストステップとして、「タニモク」が貢献できたのですね。「タニモク」当日にみなさんが感じ取った雰囲気も教えてください。

寺田さん:オンラインで初めて会った時の最初の緊張感と、「タニモク」が終わった時の「ツアーで早く会いたいですね」という盛り上がり感のギャップの大きさが印象的でしたね。全体を通して1時間30分という短時間でしたが、みなさんの熱意がさらに高まったように感じました。

柳澤さん:そうでしたね。例えるなら、モノクロからカラーに変わったみたいな。さらに、最初は感じることが難しかった一人ひとりのカラーもこちらに伝わってくる感じでした。

扇本さん:本当に最後の熱量の高まりがみなさんすごかったですよね。もっとお話したいという声が複数の方から出ていて、それがツアーに向けての良い時間になったと思います。

ー「タニモク」を通して、参加した方の気持ちの変化が伝わってきますね。

寺田さん:「タニモク」を経てツアーを開催して、みなさんのつながりが強まったと感じました。さらに、そのつながりがその場限りのものではなく、ツアー後もSNSで情報交換している方もいるようです。これも、最初に取り入れた「タニモク」パワーの影響かなと思っています。

柳澤さん:こういったツアーだと、取り入れるワークがどうしてもビジネスよりのものが多くなるのですが、それと並行して内省型の「タニモク」を取り入れることで、全体のバランスが取れたと感じました。それが参加者の満足につながっているのだと思います。


担当者コメント

ー改めて、今回、ツアーの中で「タニモク」を実施した感想をお聞かせください。

柳澤さん:今回運営側の立場で感じたことは、参加者について、ご本人の自己紹介がてらいろいろな深いことまで聞けた点が特に良かったです。自分も初めて会う参加者がどのような方か事前に知ることは安心感につながりますし、参加者自身も満足しています。今回の参加者がその後「タニモク」について調べて、自分でもやってみようと思っているとの声も聞きました。こうして参加者から「タニモク」の新しい輪が広がれば嬉しいです。

扇本さん:主観的には、運営者として非常にありがたいコンテンツだと感じています。ひとつのフォーマットとして存在していて、スムーズに進行ができるので助かりますね。今回の「タニモク」では、オンラインのワークが終わって日常に戻った後でも、「タニモク」での盛り上がりが自分の中で余韻のように残り、その日1日、自分の熱量も上がっていた気がします。

寺田さん:オフライン開催の「タニモク」に参加したことがあるとは言え、運営側としてオンライン開催をするのは初めてだったので、参加者の方が上手に話せるかな、自分も参加者とコンタクトが取れるかなという不安もありました。でも、実際は問題なく進めることができました。オンラインだとなかなかコミュニケーションを取ることが難しい場面がありますが、「タニモク」は参加者同士がグッと近づけるコンテンツだと感じました。「タニモク」にはホームページにオンライン・オフライン両方のマニュアルもありますし、簡単にできるけれど奥が深いツールだと改めて実感しています。

柳澤さん:誰でも気軽に自由にできるのが嬉しいですよね。親しみやすい存在であってほしいと思います。


「タニモク」にさらに期待すること

ー今後に向けて、「タニモク」に期待することはありますか?

柳澤さん:ワークテラス佐久では、今後も毎年1回はツアーを開催したいと考えています。私たちが手掛けるツアーは少人数で自分の想いを持って地域に関わりたいと思っている方が参加しているので、自己開示がポイントになる「タニモク」がとてもマッチしていると感じました。今後も「タニモク」を通じて、拠点の仲間づくりをしていきたいですね。

寺田さん:長野市内で女性活躍推進や女性の働き方改革にも携わっているんですが、そこでも「タニモク」を提案しているところです。女性移住者も増えているので、仲良くなるきっかけとしても「タニモク」をぜひ活用していきたいですね。地域創生の分野でも、話し合う過程でメンバーが自己開示をしているとその後を円滑に進められるのでないかと思っているので、取り入れていきたいです。

扇本さん:1回やったメンバーで、別のタイミングでもう一度「タニモク」をやってみたいですね。あの時こう言っていたけれどその後実際はどうだったか。回を重ねることで、時系列でより深められるのではないかと思っています。

柳澤さん:それ、すごく良いですよね!こういうワークはやりっぱなしで忘れてしまうことが多いので、タイムカプセル的にアーカイブして、振り返るのも良いですね。

寺田さん:そうですよね。私は今まで4回「タニモク」を経験していますが、今までのシートは全部取ってあり、時々自分で振り返っています。そうすると「自分はあの時あのように考えていたんだ」と知ることができ、それをその時一緒に「タニモク」した仲間に報告しています。おすすめですよ!


編集部より

柳澤さん、扇本さん、寺田さん、お話いただきありがとうございました。今回のように、体験ツアーなどのワークの前段階としても「タニモク」が活用できるとわかり、編集部としても嬉しく思います。オンラインだとなかなか難しい初対面でのコミュニケーションも円滑に行われ、さらにその次につながったと伺い、また新しい可能性を感じました。

「タニモク」は個人でも、企業でも、団体でも取り入れられるワークです。興味のある方は、まずは公式ホームページをご覧くださいね。


「タニモク」についてもっと知りたいと感じた方は、公式ホームページもご覧ください。
定期的に専任のファシリテーターが実施する「タニモク」を開催しているため、興味をもった方はぜひ体験してみてくださいね。