悔いのない学生生活を送るために『東大生×「タニモク」』
こんにちは!「タニモク」編集部です。
「タニモク」は活用範囲の広いワークショップです。noteでは主催されたみなさんにインタビューし、実際の様子をご紹介しています。
今回お話を伺ったのは、東京大学の「面白いことプロジェクト」のみなさんです。自分たちで実際に「タニモク」を経験し、入念な準備を経て迎えた「タニモク」。当日の様子やその後の活動などについて伺いました。
実施団体と参加者
実施のきっかけ・経緯
ーはじめに、「タニモク」をご存知になったきっかけと、実施の経緯を教えてください。
竹澤さん:「タニモク」は、大学で高橋先生の授業を受けた際に知りました。高橋先生は、教養学部附属教養教育高度化機構社会連携部門に所属している特任講師で、企業や外部の団体と共同して授業を行なっています。その一環として、アクセンチュアとの共同授業でビジネスを学ぶ講義があり、その際に高橋先生から「タニモク」の紹介がありました。他人に目標をたててもらうワークショップと聞き、面白そうだなと思っていました。
井川さん:僕は、OBやOGの方が自分のキャリアや社会人としての経験などを話すオムニバス形式の授業を受けた際、高橋先生から「タニモク」のことを聞きました。その後、僕らが行っている活動を通して、パーソルキャリアの小松さんとお話をする機会があり、「タニモク」に興味を持っていました。
ーお話した方とは、「モクサポ」コミュニティマネージャーの小松由さんですね。みなさんが行っている活動とはどのようなものですか?
竹澤さん:「面白いことプロジェクト」という活動です。約1年前に発足した学生有志のプロジェクトで、僕らが運営しています。この活動の目的は、東大生に新しい視点を持ってもらったり、新しく面白いことを経験してもらったりしてほしいということです。そのために、社会人の方や出会ったことがない学生さんと出会える場を作るといったイベントを運営しています。
面白いことプロジェクトの運営プラットフォームで、高橋先生から「タニモク」の運営者を探していると発信があり、3人がぞれぞれ手を挙げました。
畠山さん:僕は面白いプロジェクトに今年から加入し活動していますが、今回の運営者探しで「タニモク」のことを知り、面白そう!と感じこの企画に飛び込んだんです。
ーみなさんの積極性と「タニモク」がマッチした感じですね。
実施前の準備
ー「タニモク」を実施することになり、事前の準備はどのように進めましたか?
井川さん:まずは僕らとパーソルキャリアの方と顔合わせをした後、自分たちも実際に「タニモク」を体験しました。
竹澤さん:「タニモク」を体験した上で、コンセプトをどうするか3人で考えたんです。
井川さん:コンセプトを吟味する段階で、「タニモク」の価値やワークショップの面白さってどこなんだろうと議論して掘り下げていきました。普段だと自分の経験から自分の頭を通して考えていることに対して、他人の頭を通してその人の考えを知り、アクションを決めていくのが一番の面白さではないかとみんなの意見が揃いました。
竹澤さん:その上で参加者にどんな「タニモク」を体験してもらおうか、東大の学生ならではの「タニモク」ってなんだろうかって考えたんです。そして学生生活と「タニモク」をどう紐付けられるかということになり、テーマが決まりました。
ーテーマを教えてください。
畠山さん:「悔いのない学生生活を送るための行動を起こす糸口を見つける」です。対象者が東京大学1年生と2年生という点を考慮し、このテーマに設定しました。
井川さん:さらに僕個人として特に推したかったのが、就活イベントとは違うようにしたいということです。僕自身就活イベントに出た時に、完璧な自分を見せようとすることが多いと感じていましたが、今回の「タニモク」では参加者がなるべくありのままの姿で話していただけるよう心掛けました。
実施内容
ー当日の進め方についてお聞かせください。
竹澤さん:全体の2時間のうち、まず30分を使って「タニモク」の説明をし、その後の1時間30分で「タニモク」をしました。タイムテーブルは次のように設定しました。
開催時に工夫したポイント
ー開催した時に工夫したことはどんな点がありますか?
竹澤さん:ZOOMを使ったオンライン開催だったので、最初の30分で「タニモク」について説明した際に、メインルームとブレイクアウトルームを行ったり来たりしてもらいながら参加者のみなさんに動きの確認をしてもらい、環境に慣れていただくようにしました。
ー他にもあれば教えてください。
竹澤さん:最初の自分の状況を絵に起こしてもらう時、スライド上で自分たちや小松さんが描いた絵をサンプルとして表示しました。
井川さん:僕自身が「タニモク」をやった時に、絵を描くことから始まると知らなかったので、急に絵を描いてくださいと言われて、「え!?絵心ないけれど、大丈夫かな?」って不安になったんです。でもその時、パーソルキャリアの方に絵のサンプルを見せていただいてとても助かったので、今回も取り入れました。
畠山さん:僕も自分が体験した「タニモク」で絵を描く時に戸惑ったので、この工夫は良かったと思います。絵からスタートすると、形式張らずに会話も生まれやすいですしね。
「タニモク」で得られた効果
ー今回の「タニモク」で参加者が得られた効果はどんなことが考えられますか?
竹澤さん:参加したみなさんは、自分で行動したいという人が多かったと思います。ただ、やりたいことは大小いろいろあるけれどどうしたら良いかわからず、行動に起こせないという声が聞かれました。でも、「タニモク」で他の学生さんからざっくばらんな意見を聞いて、「やっぱりそうか!」と参加者の納得している表情が見られたのが印象的でした。
参加者の声
担当者コメント
ー「タニモク」を主催したみなさんの感想をお願いします。
竹澤さん:運営する立場として感じたのは、これまでに「タニモク」を経験したことのない人たちが「タニモク」を通じて自分のやりたいことや悩みを話し、お互いに質問をしあって深めている、という状況が面白いなと思いました。他人から意見をもらったり、他人に対して自分の悩みをあっけらかんに話したりすることは普段そんなにないと思うんですが、それが「タニモク」だと自然にできるんですよね。他の場所では起こらないだろうなってことを目の当たりにできとても貴重な経験となりました。自分の体験も含め感じたことは、「タニモク」で他人から無責任な目標をたててもらうことは、自分の背中を押してくれて、挑戦のハードルを超えることにつながるのではないでしょうか。
井川さん:参加者のアンケートを見ても、想像以上にみなさんの満足度が高くて良かったなと思います。当日参加人数が予定より少なかったり、オンライン上のトラブルがあったりしたのですが、パーソルキャリアの方に丁寧にフォローしていただきました。どんな場面でも臨機応変に対応していてすごいな!って。それを見て、自分も対応力を磨き成長したいなと思いました。
畠山さん:「タニモク」をして他人の考え方を実際に取り入れることで、自分の普段の考え方を強制的に変えられ、新しい解決策を見出せるってすごいなと感じました。あとは、運営が思ったよりスムーズにできたんですが、それは「タニモク」というワークショップ自体がフォーマット化されていて、どんな場面にも当てはめやすいからだと思います。他にはないワークショップですね!
ー「タニモク」を実施した後、みなさんで振り返り会を行なったと伺いました。どんな経緯で行なったのでしょうか?
竹澤さん:「タニモク」が終わった時点で、この経験を違う場面や面白いことプロジェクトに活かせないかなと思っていました。そんな時に高橋先生と小松さんから、この経験を他に活かすためには言語化するのが良いとアドバイスを受け、振り返り会を行いました。
ー振り返り会の様子をお聞かせください。
竹澤さん:まず3人がそれぞれ個人で「タニモク」を振り返って、良かったこと、やりきれなかったこと、次回以降に活かせそうなことを洗い出したんです。その後、3人で意見を言い合いました。
畠山さん:振り返り会で話をする中、「タニモク」と面白いことプロジェクトの活動は親和性が高いのではないかと共有できました。
竹澤さん:メンバーで意見を共有できたのは振り返り会をやったからこそだと思うんです。僕自身「タニモク」を終えた時に、リハーサルをもっと細かくやればよかったとか、参加者の反応や参加者からどんな質問が来るか考えておけばよかったと思っていたんです。でも振り返り会を通して言語化して自分の頭の中を整理し、自分の持っていた反省点をメンバーで共有できたことで、これからの面白いことプロジェクトの運営にも活かせると思っています。
井川さん:実はもう活かせたこともあるんですよ。「タニモク」を経験する前の面白いことプロジェクトのイベントでは、技術的な問題が発生したとき、スタッフが慌ててなかなか対応できないことが多かったんです。でもこの振り返り会でトラブル担当をおいたほうがいいよねってことになり、その後のイベントでは実際にトラブル対応担当者を決めて滞りなく運営できました。
今後について
ー最後に、また「タニモク」をするとしたら、どのようなシーンで活用したいと感じましたか?活用シーンを含め、今後についてお聞かせください。
竹澤さん:「タニモク」はどんな場面でも使えるのではないでしょうか。見ず知らずの人同士で行えば、自分とは異なる世界にいるからこその考え方を知り、刺激になると思います。同じ組織や団体に属するなど知っている間柄なら、知っている者同士だからこその悩みが出たりして、お互いの理解が深まると思います。ぜひ面白いことプロジェクトのメンバーでも実施したいですね。
井川さん:僕は接点のない人を集めてやってみたいです。今回は東大の1年生2年生が対象だったので、違いは文系か理系かくらいになってしまうんですが、将来の方向性や夢が違う人からの視点が刺激になったという声があったんです。それを聞いて、もっと世代を広げてみたいな、と。例えば、高校生、大学生、社会人、退職した人の組み合わせなんかも面白そうですよね。年齢で発言力や影響力に差が出てしまうと思うので、どの世代の人も自由に話せるよう配慮すれば、すごく面白い「タニモク」になると期待しています。
畠山さん:「タニモク」は継続的な活動に合っていると思うので、同じメンバーで再度行うというパターンを実施してみたいです。まず大学生の時に「タニモク」をやったとします。卒業後に社会に出るとそれぞれの会社や業界に染まっていくと思うんですが、そんな時に、大学で「タニモク」したメンバーと再度「タニモク」をするんです。そうすれば、異なる業界というか、違う世界にいる人の意見を得られるのではないでしょうか。あの時たてた目標はきちんとできている?って確認し合えれば、それぞれの刺激になり、考え方もさらに広がっていくのではないかと思っています。
編集部より
竹澤さん、井川さん、畠山さん、お話いただきありがとうございました!
今回の「タニモク」を実施するにあたってまずはコンセプトを吟味したり、入念に準備をしたり、さらには振り返り会を開き今後への活かし方を話し合ったと伺い、みなさんの「タニモク」に対する関わり方がとても深く、編集部としても大変勉強になりました。
このように「タニモク」は学生の方でも活用できます。興味を持った方は、ぜひ体験してみてくださいね。