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【活用事例】同期同士で支え合える関係づくりに『新入社員×「タニモク」』

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
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こんにちは!「タニモク」編集部です。
他人に目標をたててもらう「タニモク」は、利害関係がない人同士であれば年齢や肩書きに関係なく、誰とでも実施できます。
noteでは「タニモク」を実施された方にインタビューを行い、どのようなシーンで取り入れたのかや、参加者にどのような変化があったのかをご紹介していきます。

今回は、株式会社ADKホールディングスの酒井さんに、新入社員向けの活用方法や工夫した点、得られた効果についてお話しいただきました。



実施企業と参加者

◆企業名:株式会社ADKホールディングス
◆事業内容:グループ全体戦略・運営方針の立案ならびに事業会社の管理・監督、およびグループのバックオフィス機能などを提供する純粋持株会社
◆実施時期:4月末
◆実施頻度:年1回
◆活用シーン:新入社員研修時の振り返りワーク
◆対象者:新入社員
◆参加人数:68人
◆実施形態:Zoomによるオンライン開催



実施目的

・新入社員研修の振り返り
・自己肯定感UP
・自己効力感UP
・同期同士で支え合える関係づくり

酒井さん:「タニモク」は2020年の4月末に、新入社員研修の振り返りワークとして実施しました。配属後に必要となる「自己肯定感・自己効力感」を上げるサポートをしたいことと、同期同士で支え合える環境を作りたいという想いがありました。

研修内容を企画する中で新型コロナウイルスの状況が日に日に悪化していき、急遽入社式や新入社員研修をオンラインで実施する決断をしました。

リモートでもコミュニケーションをとりつつ、「現場に出る前の心構え」や「目指す働き方」といった行動目標をたてられるツールはないかと探していたところ、実際に体験したという人事担当者から「タニモク」を紹介されたんです。

人事担当者から「実際に体験してみて面白かった!」という感想を聞き、2020年度から新入社員研修へ取り入れることになりました。



実施前に感じていた課題

・現場に出た後に自信喪失してしまう
・周囲の働き方が見えず、エンジンがかかりにくい
・リモートワーク中はコミュニケーション不足により同期の関係が希薄になってしまう

酒井さん:実際に配属先へ出ていくと、スキル不足や入社前の理想と現実とのギャップに悩むリアリティショックを感じて、自信喪失してしまうことが課題になっていました。

また、入社当初から新入社員同士で話す機会が少ないため、同期の言動や考え方に触れて刺激を受けて、”自分自身がどう歩んでいきたいか”を意識する機会も減っていました。お互いに高め合う場を設定する必要があると思ったんです。

それから、オンラインでも新入社員がコミュニケーションを気軽に取れる場を作りたいという想いがありました。今までは、研修期間中は休憩時間に雑談をしたり、研修が終わった後食事に行ったり、飲みに行ったり…といった同期同士のコミュニケーションがとれていたのですが、全くそういう機会がなくなってしまい、同期同士の関係性が薄いように感じていて…リモートワークの不安もある中、互いに支え合える関係性を作ることで、彼らも前向きに業務に取り組めるのではないかと思いました。



実施内容

・タイムテーブルは公式オンライン「タニモク」の台本通り
・1グループは4名で構成
・ファシリテーターは3名(メイン1名、時間管理のサポート役2名)

オンライン「タニモク」台本

酒井さん:基本的な時間の進め方は公式の流れと同じです。研修後に配属先を発表するので、新入社員研修と同様に68人一度にオンライン「タニモク」を行いました。

ーグループ分けや主人公の順番決めはどのように行いましたか?

酒井さん:4人1組のグループ分けは、Zoomのブレイクアウトルーム・自動振り分け機能を活用して行いました。新入社員の彼らには、できるだけ色々な人と話をしたり、接点を持ったりして欲しいと考えたからです。

グループのメンバーに目標をたててもらう(以下、主人公)の順番は、「髪の長い人から」「早く起きた人から」「50音順で」などと、4人の中で楽しみながら決めてもらいました。

ーファシリテーターは3名ということですが

酒井さん:メインのファシリテーターは1名で、社内で初めて「タニモク」を体験した人事担当の社員が務めています。サポート役の2名は、時間管理や「タニモク」を効果的に進めるポイントを伝えるなどのサポートに入りました。

主人公が入れ替わるタイミングでブレイクアウトルームからメイン画面へ戻ってきたときに、「次はこういう質問を投げかけてみたらどう?」などと、フローに沿って質問例を表示しました。ワーク中の質問内容や質問の仕方が分からない人も結構いると思ったので、参加者がスムーズにセッションできるよう工夫しましたね。

サポート役を2名つけた理由は、トラブル対応への備えと、メインのファシリテーターが本来の役割に集中できる環境を作りたかったからです。新入社員たちのネットワーク環境もさまざまでしたので、突然Zoomから落ちてしまう・操作の不備といったトラブルに備え、運用サポート役として2名待機していました。

当時は運営側もZoomを触ることに慣れておらず、機能についても「見よう見まね、やりながら覚える」という状態でしたので、試行錯誤しながら行ったことを覚えています。


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ー各自最終的にたてた目標を宣言するのはどのようなタイミングで?

酒井さん:「タニモク」の公式通りに、一人ひとりがワーク内で宣言していました。

他には、研修最終日に行う決意表明の場で、研修を振り返りながら「タニモク」でたてた目標を発表する社員もいました。68人が次々と発表していったので、こちらまで一人ひとりのやる気や熱量が伝わってきましたね。



得られた効果

・同期同士が少人数で触れ合うよい機会になった
・新入社員にとって満足度の高いワークになった

酒井さん:今回の「タニモク」を通じて、同期同士が密にコミュニケーションをとれたように感じました。結構深いところまで色々なことを話し合うことができ、彼らの中にはよい印象が記憶の中に刷り込まれていると思います。

ーよい印象として刷り込まれているというのは、どのような部分で感じましたか?

酒井さん:新入社員には、研修が始まってから毎日日報を書いてもらっていました。「タニモク」を実施した翌日、日報には普段よりたくさんのことが書いてあったんです。内容もバラエティ豊かで、「タニモク」からの学びを自分の中に落とし込んでいるんだと感激してしまいました。それだけ彼らにとって、すごく満足度が高かったのだと思います。

研修内容もeラーニングや講習を聞くスタイルが多かったので、少人数でざっくばらんに語り合える時間が新鮮だったのではないかと感じています。



開催時に意識したポイント

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・事前課題①:「現在と過去の自分」をテーマに絵を描き、画像データにしてくる
・事前課題②:事前に受検した適性検査の結果を用いて、自己理解ワークショップを実施
・丁寧すぎるくらいの説明スライドを準備

酒井さん:場を温めるために事前課題を行ってきてもらったというのが大きいと感じています。一つ目の事前課題として、「現在と過去の自分」をテーマに絵を描き、画像データとして用意してきてもらいました。公式では現在の自分を描くことになっていますが、オンラインでも互いのことを知って、スムーズにセッションできるようにアレンジしています。

二つ目の事前課題は、研修前に受検していた適性検査の結果をもとに各自振り返りながら、「自分にはどのような特徴や行動特性があるのか」というワークをしてくること。自分自身の特性を深く知ることで、オンラインでも自己開示がしやすくなると考えたからです。

当日は事前課題をもとに4人1組のグループで自分のことを話す時間を設け、「私はこういう人間です」という内容をグループのメンバーに理解してもらったうえで「タニモク」へと入っていきました。


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ーオンラインで実施するにあたって、工夫された点はありますか?

酒井さん:PC画面からひと目でイメージが分かるよう、スライドも懇切丁寧に一つひとつ作りました。68人規模のワークをオンラインで行う中で、置いてきぼりになってしまう人が出ないよう工夫しました。



参加者の声

①自己肯定感
・他人に任せて目標を立ててもらうことで、「それやっぱり目指していいんだ」と改めて思えるようになりました。自分の発信を恐れないことが重要。
・今後、自分を嫌いになりそうになったら今日のことを思い出そうと思います。
②自己効力感
・相手にアドバイスを伝える時も、相手からもらう時も、自分が目を背けていた本質的な望みを理解するのにとても有効的でした。他人の目を気にせず、どんどんチャレンジしていこうと思います。
相手の人生を詳しく知らないからこそ、他人に対して主観的に分析する「タニモク」が活きるのだろうと感じました。ここでの気づきを活かして、とにかく実践、継続していく。成長するぞ!
・私は、人に弱さを見せることや頼ることが苦手で、そんな可愛げのない自分を直そうと頑張っていましたが、やろうとしてもなかなかできませんでした。しかし、「タニモク」でもらった「弱さと強さはギャップになる」という発想が目からウロコで、戦略的になら頑張れそうと思いました。
③同期同士で支えあえる関係作り
・どんな飲み会よりも相手のことが分かり、仲良くなれました。
・「タニモク」を使った研修はすごく参考になっただけでなく、同期がどのようなことを考えているの分かったり、真面目な話ができたりして面白かったです。3年後にもう1度できたらと思いました。
・他人への目標を考える際に、相手の事を考えつつ、いわばトレースのように思考できたように思います。同期への理解が深まっただけでなく、コミュニケーションで生かせる相手の想いを汲む力を学べました。

酒井さん:2021年の2月頃、ある社員に"去年4月の新入社員研修の中で一番覚えていることとか、記憶に残っていることはある?"と質問したところ、即答で"「タニモク」です!"と答えが返ってきたんですよ。実施したのは4月の終わりで10カ月近くも経っているのに、すごく印象深く記憶に残っているんだなと驚きました。

"「タニモク」を研修プログラムに組み込んで本当によかった。やった甲斐があったね"と、ファシリテーターを務めた社員と話しました。そんなに心に刻まれているワークショップだったなら、数カ月後に振り返りワークをやってあげたらよかったかなとも思うくらい、とても反応がよかったんです!

ー一番印象に残っている感想はありますか?

酒井さん:「一番参考になる教科書は社内の一番身近なところにいると気づかされた」という感想です。誰もがモデルケースとなりえるし、刺激となる存在は探さなくても身近にいる、ということに気づいた新入社員がいたことです。 また、「自分自身も他人からそう思われる存在でありたい」「そういう存在になろう!」と思ってくれるといいなと思います。そうやって、お互いが対話をしながらつながり、励まし合い、気持ちを奮い立たせながら切磋琢磨できる関係性になれたら素晴らしいです。



担当者コメント

・4月にたてた目標を振り返りながら「タニモク」を実施したい
・新入社員研修以外にも取り入れたい

ー今後も「タニモク」を継続していこうと考えていらっしゃいますか?

酒井さん:はい、今後もやりたいと思っています。4月にたてた目標がどうなったのか、数カ月後に追いかけるというのはぜひ実施したいですね。

ー「タニモク」を活用して実施してみたいことはありますか?

酒井さん:弊社では、入社から3年経つと「キャリアステッププログラム」という人事制度があります。実は、先日そちらで早速「タニモク」を活用しました!

受講者からも好評で、普段接点のない他部署のことを知る有意義な時間だったそうです。他部署の社員と触れ合うことは、自身の業務から一旦離れ、仕事の流れや考え方・行動などを客観的に振り返るよい機会になると思います。

「タニモク」は色々な視点をもらえるのが醍醐味だと思うので、これからも異なる年齢や部署の社員同士で実施していきたいですね。

ー最後に、この記事の読者や、教育現場で「タニモク」をやってみたいと考えている人へメッセージをお願いします

酒井さん:今年もコロナ禍が続くとは思うので、オンラインで新入社員研修をされる企業も多いと思います。こういった状況でも、新入社員同士がコミュニケーションを深められる場を作りたいですよね。

「タニモク」は、自分の発想にない意外な切り口が出てくるところや、背中を押される感覚をオンラインでも味わえるという部分がすごくよいと感じています。その人の行動の動機づけになったりとか、意思を明確にできたりすると思いました。

社員にとって、今後の働き方によい影響が与えられるワークショップだと思うので、気になっている企業さまにはぜひ試していただきたいと思います。



「タニモク」編集部より

酒井さん、貴重なお話をありがとうございました。新入社員研修が新型コロナウイルスの影響で急遽オンラインでの開催となった中、先陣を切って試行錯誤しながら実施されたことが、お話を伺っていても感じられました。

新入社員の皆さんが個人の力を発揮することに必要な自己肯定感や自己効力感を上げること、そして同期同士の関係を深めるためのツールとして「タニモク」をご活用いただき、大変嬉しく思っております!

新入社員が自分を深く知るための事前準備や、当日に困る社員を出さないための気配りなど、オンラインならではの工夫が素晴らしいと感じました。今回の事例は、リモートワークを取り入れている企業や、オンラインで「タニモク」を実施してみたいと考えている方にとっても参考になるのではないでしょうか。

こちらのnoteでは、今後も「タニモク」体験記事や活用事例などをご紹介していきます。
”「タニモク」やってみたよー!”という方はぜひ「#タニモク」をつけて記事をアップしていただけると嬉しいです!

また、「タニモク」は利害関係のない人同士なら誰とでも実施できるワークショップなので、企業や学校での研修や友達同士などさまざまなシーンで活用できます。新たな視点から「自分の活かし方」や「自分の伸びしろ」を見つけられるようなワークショップを探している方は、ぜひ気軽に試してみてくださいね。