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【御礼とハイライト】「タニモク」ラボ 第8回meetupのテーマは「ラボ新年会」

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは! 「タニモク」事務局です。
2023年3月、“社員のキャリアオーナーシップの向上”をテーマに、キャリア対話の機会づくりとプログラム開発を行う共同研究の場としてスタートした「タニモク」ラボ。月に1度、これまでに7回開催された「meetup」では、ライトニングトークによるナレッジ共有や会員同士の交流が行われています。

2024年初回となる第8回「meetup」は、1月17日(水)、29日(月)の2回に分けて「ラボ新年会」を実施!今回はその様子をレポートします。

▼これまで開催されたmeetupの様子はこちら
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▼「タニモク」ラボの概要とエントリーページはこちら


当日(1/17、29)のハイライト

ラボ会員同士の交流とナレッジ交換を目的とした「meetup」イベントは、会員のみなさんが参加しやすいよう「時間帯は12時~13時」「イベント時は出入り自由」「聴くだけOK」で開催しています。

第8回meetupは「ラボ新年会」ということで、「タニモク」プロジェクトオーナー 兼 ラボ長の三石さんが、「タニモク」の現状や今後の展望についてお話ししました。その後は、参加者の方からの感想シェアや質疑応答の時間に移りました。


「タニモク」に関する新年の抱負:ラボ長三石さん

2023年3月に設立した「タニモク」ラボでは、次の3つを大切にしながら活動を続けてきました。

①Giver精神をもってGiveし合おう。
②ラボ内の秘密を守る。
③行動しよう(みんなでラボろう)。

ラボの立ち上げから約1年。ここで改めて、「ラボがどのような場なのか」「このコミュニティにどんな価値があるのか」を再確認したいと思います。

「タニモク」ラボ設立の背景

そもそも、2018年に本格始動した「タニモク」プロジェクトは、【はたらくを考える機会が乏しい】という課題を解決したいという想いからスタートしました。

2024年1月に開催した「タニモク」フェスでパーソルキャリア総合研究所の小林祐児さんからお話があったように、キャリアの自律度は年齢を重ねるごとに下がってしまうことがわかっています。また、日本人は社外学習や自己啓発を「全く行わない」人の割合が諸外国に比べて高く、自分自身のキャリア形成に向けたアクションが起こりづらくなっているというデータも示されました。

さらに気になるのは、日本人は人付き合いが狭い人の割合が高く、キャリア相談のような自己開示の深度も年齢が上がるにつれて低下しています。このような状態では、自分自身のこれからのはたらくを考える機会がなく、袋小路にはまってしまいます。

一方、組織はどうかというと、制度設計などは優先順位が高くなっているものの、キャリア支援の優先順位が低くなる傾向にあります。社員が自発的に行動しない限り、キャリアについて考える機会が生まれない状況にあるのです。

こうした状況が続いては、組織も世の中も変わっていくことができません。ではどうしたらよいかというと、

・キャリア1on1
・ピアカウンセリング・イベント
・カウンセリングサービス

などの、定期的・連続的に行われるキャリアについての対話機会を、若いときからつくっていくこと。

一度下がったキャリア自律度を上げることは難しいので、上がった状態をキープする工夫をすることが大切です。

とは言え、いざ組織でこのような機会を設けようとすると、なかなか予算を割けない、担当者もアサインできないということもあるかもしれません。そこで、「タニモク」の出番だと考えました。

「タニモク」はオープンソースでナレッジを提供しており、「誰でも簡単にできる」ことをポリシーにしています。映写データと台本があればどこでも開催でき、アレンジによってさまざまなケースで活用できるのがメリットです。

近頃は教育現場でも実施されるなど活用の幅が広がりつつあります。ただ一方で、ナレッジが三石さんに集中し、みなさんにシェアできないことに課題を感じていました。そこで、この課題を解決するために、ラボを立ち上げたのです。

▼キャリア自律についての詳しい内容はこちらから


「タニモク」ラボの取り組み

「タニモク」ラボは、“社員のキャリアオーナーシップの向上”をテーマに、キャリア対話の機会づくりとプログラム開発を行う共同研究の場として設立しました。コンセプトは「キャリア・メンタリング・ネットワーク」です。

「タニモク」ラボの活動は、主に3つです。

1)事例共有
月に1回meetupを開催し、成功例・失敗例をシェアしています。8月には初めてラボフェスを開催し、4名の方に「タニモク」の実践例を発表していただきました。

引き続き好事例については編集部で取材をさせていただき、記事化してこちらのnoteでご紹介できたらと考えています。

2)プログラム開発/共有
各種フォーマットについても、各研修用にアップデートしたものを、ラボ会員限定でダウンロードできるように随時更新しています。

▼各種フォーマットの例
・タイムテーブル
・研修別ツール(ライフラインチャートなど)
・社内告知文
・活動写真サンプル など

3)情報発信
2024年1月には、これまでの知見をまとめたコンセプトブックを作成しました。「タニモク」がキャリア・メンタリングに有効な理由や活用事例、導入企業の声などをご紹介しています。

こちらは【公式「タニモク」への参加】もしくは【「タニモク」ラボ会員への登録】にて無償で提供しています。

今後もテーマ別の事例集を作成するなど、みなさんに「タニモク」を知っていただくための工夫をしていきます。

図のように「タニモク」の機会が増え、組織やチームにメンタリング文化をなじませることができると、必然とキャリア対話の機会が増えていくのでは、と考えています。対話とネットワークによって、オーナーシップとパフォーマンスが向上する世界をつくっていけたらと思います。


今後について

「タニモク」ラボで今後取り組んでいきたいことは以下の3つです。

1)プログラムのレパートリーを増やしていきます

まずは、主人公(=目標をたててもらう人)に向けて適切な質問が行われるように、「高校生向け」「新入社員向け」「シニア向け」など、シーン・研修別の質問サンプルを作成し、シェアしていきたいです。

また、対話の難易度別のまとめシートも検討していきます。シートに「考え」や「気持ち」などの項目を増やすと必然的に質問にも影響しますし、実施回数を重ねるごとに対話のレベルを上げることで、ワークショップの鮮度を保つことができるからです。

さらに、主人公の決め方やアイスブレイクの方法、短い時間の場合のタイムテーブルといった、イベントアレンジの方法についてもサンプルをまとめていきます。

それぞれ、シェアできる状況になりましたら、ラボ会員限定ページにて公開していく予定です。

2)全体を機能させるポイントを形にしたい
プログラム開発や事例共有だけでなく、全体を機能させるポイントについても形にしていきたいと考えています。

①のキャリアメンタリングを機能させるには、②の1on1などで管理職によるメンバーのキャリアビジョンとのつながりについて、業績目標へ意味づけをセットにすることが大切になります。また、そのためには、③の経営/事業方針を管理職もメンバーもきちんと理解できていることも重要です。個人がやりたいことをやっているだけでは組織としてまとまらず、せっかくたてた個人目標を頭ごなしに否定されてはエンゲージメント低下の恐れもあるからです。

情報の透明性が高く、経営や事業方針を全員が理解できていること。そのうえで何ができるのか、何をやりたいのかを話すことが大切です。

今後は「全体を機能させるためにこれだけは最低限押さえておいてほしいポイント」を提言していきたいと考えています。

3)テクノロジーを活用して新しいマネジメントスタイルの提案を行いたい
「タニモク」フェスでも「ChatGPTによる目標支援」の事例を紹介しましたが、「タニモク」とテクノロジーを活用した新しいマネジメントスタイルも提案していきたいと考えています。

ChatGPTの活用では、目標を具体化したり追求したりできるように、プロンプト(AIへの指示書)を独自に開発中です。

また、相互メンタリングやテクノロジー支援によって管理職の方にかかっている負担を軽減し、「管理職が個々のキャリアをフォローしきれない」「評価者であるためにオープンに話ができない」という課題も解決できたらと考えています。

縦だけでなく横や斜めとの関係もつくっていくことで、「相互メンタリングによる目標の具体化」「キャリアメンタリングを活かしたマネジメントスタイル」を構築していきたいです。そのために、みなさんと一緒にナレッジを収集したり、施策を試したりできればと思います。

人材領域の施策は結果が出るまで時間がかかるため、なかなか根拠として数字を挙げるのが難しい部分もあります。しかし、数字だけですべてを動かせるものではなく、小さいながらもやり続けることが大きなエビデンスになるのではと考えています。

私たちは、実践例の「確からしさ」を武器に、世の中に「タニモク」を広めていきたいです。そうすれば、よりスピーディに世の中にはたらくを考える機会が広がっていくと信じています。


お願い

最後に、みなさんに3つのお願いがあります。

「タニモク」はオープンソースでプログラムを提供しているので、どれくらいの方に実施していただいているのかを把握しきれていない部分があります。

活動の規模感を数値化するとともに、これまで積み重ねてきた土台をより大きくするプログラムやエビデンス、テクノロジー開発を進めていきたいと考えていますので、実践例やナレッジはぜひシェアいただけるとありがたいです。

そして、「タニモク」をよいと思っていただけるのであれば、積極的に関与いただけると嬉しいです。


「タニモク」ラボ参加者からの質問&感想

Q:「タニモク」を開催する際に三石さんにファシリテーションをお願いすることは可能でしょうか?

三石さん(以下略):
遠方に行くことは難しいかもしれませんが、可能な限り伺いたいと考えていますので、一度お問い合わせください。

Q:「タニモク」の対象年齢は何歳くらいからがよいのでしょうか?

中学生は「目標とは何か」からつまずく可能性もあるので、高校生くらいからがよいかもしれません。高校で実施するときも「目標」ではなく「がんばること」と言い換えると理解が進みます。集中力が続くように、短い時間でシャープにした方が効果的です。

Q:いま準備しているツールはありますか?

まだ公開できていないものがいくつかあります。「ダイバーシティ」をテーマにしたサンプルはコンセプトブックでも紹介しているので、サンプルを掲載してもよいかも、と思っています。

Q:質問によってワークの効果に差は出ますか?

最初の質問が重要だというのはわかってきているので、最初の質問は固定で対話の構造の流れをつくっていけると、「タニモク」のクオリティを担保できるかもしれないと思っています。

それから、「どうしてそういう気持ちになったんですか」「なぜがんばれたんですか」といった「価値観・感情」は深掘りできますが、「何の仕事をしているんですか」「それって何ですか」というような「コト」の質問は浅くなりがちなので注意が必要です。ただ、それは「タニモク」の形がわかっていないとできないことでもあると思うので、回数を重ねるごとに質問の難易度も調整できるとよいのかなと思います。

Q:2・3月でやってみたいテーマはありますか?

全体構造として「キャリアメンタリングと管理職と経営をセットにしないとうまくいかない」という仮説を検証したいものの、領域範囲が広がりすぎると研究テーマも難しいので、まずは「キャリアメンタリング」に絞ってよいのではと考えています。

その他、『社内で回数多くやっていこうと検討中です』『対話の難易度を考えるのがおもしろそう、ラボメンバーでやってみたい』『1on1と「タニモク」の関係をテーマにしてもよさそう』などの感想をいただきました。


まとめ

「タニモク」を活用したり他の手段と掛け合わせたりしながら、最終的には自分の可能性が広がる、ワクワクするような機会づくりが世の中に広まっていけばと考えています。

そのような意味でも「タニモク」の開発の余地はまだまだあると考えていますので、ナレッジシェアやプログラム開発にご協力いただけたら嬉しいです。

「タニモク」の活用方法をもっと知りたい方、みんなと一緒に考えてみたい方は、ぜひ「タニモク」ラボにご参加ください。今年も楽しくラボっていきましょう!

▼「タニモク」ラボの概要とエントリー方法はこちらから


「タニモク」の台本や映写資料は、公式ホームページよりすべて無料でダウンロードできます。
友人同士や組織で「タニモク」を実施したいという方は、マニュアルをチェックしてみてください。
実際に「タニモク」を体験した後は、「#タニモク」をつけて感想を発信していただけたら嬉しいです。みなさんの投稿も楽しみにしています!

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