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【イベントレポート】人事限定「タニモク」フェスを開催しました ~DAY2・ダイバーシティ編~

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは。「タニモク」編集部です。
『「タニモク」で組織を活性化させる』をテーマに、2023年1月11日・12日の2DAYSで行われた人事限定「タニモク」フェスをオンラインにて開催しました。

DAY1では「タニモク」未体験の方にワークショップを体験いただき、DAY2ではゲスト企業に活用事例をご紹介いただいた後、テーマに分かれて「実践共有会」+「なんでも相談室」を行っています。

この記事では、ダイバーシティをテーマに「タニモク」を実施したパーソルキャリア株式会社の事例と実践共有会の様子をご紹介します。

【ダイバーシティ】での実践内容

ゲストスピーカーとして、パーソルキャリア株式会社の國分真里奈さんと加藤杏奈さんにご登壇いただきました。

女性管理職×女性非管理職の座談会

パーソルキャリア株式会社では、「あらゆる区分のない組織」を目指し、その違いを未来の可能性にするべくDI&Eに取り組んでいます。同社の社員の男女比はほぼ半々ですが、管理職比率においては、男女差が一定生じているため、社員の男女比率と管理職の男女比率を同等程度に揃えることを目指すべく、現状は女性を対象とした取り組みに力を入れているそうです。

特に女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントによって変化しやすく、日々の業務と生活が精一杯で、未来を描きにくいという方も少なくありません。また、「管理職=大変そう」という一部のイメージによって、「自分にはできない」と思われる方もいらっしゃると伺っています。

そこで、リアルな”管理職”を知り、管理職になることのイメージができるきっかけとなれば、と想い、女性管理職と女性非管理職の座談会を実施することになりました。

参加者の希望を最優先に座談会で同じグループになるメンバーをマッチングした結果、高い満足度を得られたそうです。データ部門と連携し、マッチングシステムを導入することで大幅にマッチングにかかる業務時間を短縮させるなど、効率的な準備の仕方も印象的でした。

座談会で管理職のリアルを知り、自分の未来が少し明確になった後、未来と目の前の行動を結び付け、仲間と共に支えあいながら歩んでいけるように、と考え、座談会参加者を対象とした「タニモク」を計画し、希望者で実施しました。


「タニモク」の活用方法

座談会の参加者のうち、「タニモク」への参加希望者は約25名でした。参加者の属性や悩みを考慮し、3つの工夫がされました。その内の20名が、社内の目標サポートコミュニティである「モクサポ」にも参加しています。

1.異なる事業部のメンバーを組み合わせる
同じ事業部のメンバーの場合、顔を合わせたり一緒に業務をしたりとすでに関係性ができていることもあります。ここでは、お互いの状況や気持ちに対してフラットに対話してもらいたいという背景から、あえて多様なバックグラウンドを持つメンバーをマッチングしています。

2.実施時間を2時間から1時間に短縮する
「タニモク」のワークショップは、本来2時間かけて実施するものですが、準備に時間をかけることで当日は短縮版で実施できました。短時間での開催になったことで、参加へのハードルが下がり、時間が気になって参加を迷う方の背中を押すことにもつながったそうです。

事前に自身の1か月の振り返りを絵に描いておくといった宿題をやってきてもらうことと、目標や行動のまとめはワークショップ後の宿題としてあえて残すことで、実施時間の短縮だけでなく終了後に振り返るきっかけにもなります。

3.Microsoft Teamsに特設グループを作成する
1時間という短い時間なので、「お互いのことをもっと話したかった」という想いが出てきます。そこで、Microsoft  Teamsに事後宿題の目標をシェアしたり、進捗共有や応援をしあったりする場を作りました。

「タニモク」や、その後のモクサポでの活動シェアの場に留まらず、日常的にアクションをしあえるようなワークショップ後のサポートとして導入したそうです。このように、あえて腹八分目の設計にしておくことで、「さらにやりたい」という想いを引き出していました。その想いは、後の自主性につながります。

「タニモク」の実施内容の詳細は、こちらの記事でもご紹介しています。


参加者の声

座談会と「タニモク」に参加した方の声を一部ご紹介します。

・自分自身が何を大切にしているのかや、どのような人間に見えているのかについて、ポジティブなフィードバックをいただき、とても前向きな気持ちになれました。

・周囲の方に自分の概要や気持ちを話すだけで、客観的で冷静に捉えた見方や判断からここまで気づきをもらえるとは思っていませんでした。

・他人の意見で新たな切り口や選択肢を得られて面白かったです。

・普段やりとりをしていない部署の方と交流できました。自分では思いつかないような視点でアドバイスをもらえました。

「自分一人では考えつかなかった」「新たな発見があった」という内容の感想が多かったようです。

課題と改善案
今回、女性社員を対象とした座談会と「タニモク」を実施してみて、2つの課題と改善ポイントが見えてきたそうです。

1つ目の課題は、座談会→「タニモク」→モクサポと進めていくにつれて、参加者が減ってしまうこと。毎回すべてのグループが同じ日程で集まる日時固定開催から、あらかじめ決めておいた期間内で、各グループごとに実施してもらうやり方へ変更する施策も考えているそうです。

2つ目は、座談会や「タニモク」の内容を日常業務の中で活かせているのかを確認することが難しいといった課題でした。この課題には、アンケートなどで「どのようなアドバイスを得たか」「どのように活かしたか」を回答してもらう項目を作ることと、別途ヒアリングを行うことで改善できないかと考えているそうです。


質疑応答/ディスカッション

イベントの後半は、参加者が登壇者に直接質問ができる「Q&A+ディスカッション」です。参加者のみなさんには興味のあるブレイクアウトルームに入室していただき、ゲストスピーカーのお二人に質問を投げかけていただきました。

Q:さまざまな施策がある中で、「タニモク」を導入しようと思った理由を教えてください。

加藤さん:実施背景に、個人のWilとActionを結び付けたいという想いがありました。自分や身近な人だけでなく、これまで関わりのなかった人も交えて目標設定してもらいたいと考えていたんです。「タニモク」というワークショップは社内で認知されていて、有志メンバーによる目標サポートコミュニティ「モクサポ」も行われています。「タニモク」で得られるものがあるという認識が社内にあったことも大きかったですね。

Q:座談会の参加者はどのように集めましたか?性別に関係なく募集したのでしょうか。

國分さん:一定の層に募集をかけ、希望者のみに参加していただきました。今回はフィジビリとして女性向けの座談会を企画しましたが、ゆくゆくは性別関係なく実施していきたく思っています。

Q:参加者の感想や満足度を教えてください。

加藤さん:事後アンケートでは満足度の高い感想をいただきました。ネガティブなコメントがなかったことも印象的です。

國分さん:異なる事業部のメンバーと同じグループで「タニモク」を実施したため、初めて会う人に「自分が何に困っていて、何をしたい」という状況を齟齬なく伝える必要がありました。そのため、自身の中での仕事の棚卸、内省をしたことで、あらためて自分を知ることができたという方もいました。

Q:管理職に対するイメージは改善されましたか?

加藤さん:はい。一定改善されたと思います。というのも、社内のエンゲージメントサーベイのスコアでは、対象層の管理職昇格意向が昨対比で20%以上改善されました。昇格への迷いはありますが、想いを共有できたことで一緒にがんばっていきたいという気持ちが上昇したようです。道が見えやすくなったという感想も届いています。

國分さん:今後は、ターゲット層を広げて管理職のリアルを知る機会を多く持てていけたらと思っています。

Q:担当者から見て、「タニモク」後に「モクサポ」に3カ月間参加した人に、どのような変化がありましたか?

國分さん:徐々に交流していき、関係性が深まるにつれて、より自分のことを話しやすくなっていましたね。そして、周りの方もアドバイスをしやすくなるんです。これは一緒の時間を共有したからこその効果だと思います。

Q:「タニモク」で気づいたことを業務の中で活かしていくことは大変ですか?

加藤さん:気づきや目標を忘れないためにも、「モクサポ」に参加して継続的に振り返りの機会を作っています。月に1度でも自分が大事にしたいことや、やっていきたいことに立ち返れる時間があると、そんなに大変だと感じることは少ないかもしれません。

國分さん:Microsoft Teamsで進捗を共有するだけでも、「前回は何を書いたっけ?」と振り返る機会になりますね。

Q:今後の展望を教えてください。

加藤さん:目標設定や行動も大切ですが、今回は気持ちの吐露や関係性構築を重視しています。参加者にとってのメリットは、フラットな関係の相談相手ができることです。仕事に限らずプライベートの話もできる相手が社内にいるという環境を整えていきたいです。

國分さん:ゆくゆくは、様々な枠を取り払い「タニモク」を実施したいです。私は中途入社でしたので、いわゆる気軽に相談できる同期といった存在は、あまり多くはありませんでしたが、こういった貴重な対話の機会である「タニモク」や「モクサポ」を通じて、新たな自己認知ができたり、新鮮な意見や気軽な相談相手ができたりと、前向きに仕事ができると思いました。1人でも多くの方に参加してもらえるようにしたいですね。参加を迷っている人にも一歩踏み出してもらえるような工夫を考えていきたいです。


「タニモク」編集部より

女性管理職×女性非管理職の座談会からはじまった「タニモク」の活用事例では、限られた時間の中で参加者が最大限の満足度を得られるような細やかな工夫が伝わってきました。参加者のみなさんは、事前宿題で自分と向き合う内省の時間を作り、普段関わりの少ない相手と対話することで改めて、自身の価値観や現状をアウトプットできたようです。その上で、客観的な意見をもらえる体験は、自分のためだけのギフトのように感じたのではないかと思います。

今回の人事限定「タニモク」フェスは、互いの違いを受容し、多様なはたらき方の可能性を広げたい方たちにとって有意義な時間になったのではないでしょうか。ゲストスピーカーの國分さんと加藤さん、一緒に「タニモク」フェスを盛り上げてくださった参加者のみなさん、ありがとうございました!

DAY2では、この記事でご紹介した【ダイバーシティ】の他に、【研修/オンボーディング】【心理的安全性】をテーマにした共有会も開催しています。他の共有会の様子やDAY2全体の記事も、以下からぜひご覧ください。

「タニモク」の台本や映写資料は、公式ホームページよりすべて無料でダウンロードできます。
友人同士や組織で「タニモク」を実施したいという方は、マニュアルをチェックしてみてください。
実際に「タニモク」を体験した後は、「#タニモク」をつけて感想を発信していただけたら嬉しいです。みなさんの投稿も楽しみにしています!

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