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【活用事例】女性の多様性あるはたらき方を応援『女性社員×「タニモク」』

「タニモク」編集部

こんにちは!「タニモク」編集部です。
「タニモク」は、他人の考え方を借りて自分の伸びしろに気付き、新しい切り口を得るワークショップです。noteでは、さまざまな企業や団体、学校で実施された事例やお役立ちコラムをご紹介しています。

先日、「タニモク」を提供するパーソルキャリア株式会社では、同じ属性でワークとライフのバランスに悩む社員を対象とした「タニモク」を実施しました。実施目的や内容、開催時の工夫などを、「タニモク」プロジェクトオーナーで当日のファシリテーターも担当した三石原士に聞いてみました。

実施企業と参加者

◆企業名:パーソルキャリア株式会社
◆実施時期:2022年8月17日、18日 各日10:00~11:00
◆活用シーン:DI&Eの一環とした女性の更なる活躍推進
◆対象者:女性社員
◆参加人数:23名(1日目12名、2日目9名)


実施目的

ー社内で女性社員のみを対象とした「タニモク」は初開催と伺いました。対象者を女性に限定したことには、どのような目的があるのでしょうか。

三石:パーソルグループでは、DI&E(Diversity, Inclusion & Equality)の理解・促進によって、「属性の多様性を理解」「価値観の多様性の受容」を進め、「能力の多様性」を活かすことで、新たな知恵を生み出し、既存サービスの強化や新規サービスの創造を進め、グループビジョンの「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会の実現を目指しています。目指しているのはあらゆる区分のない組織で、違いこそを未来の可能性にすることです。

DI&Eのテーマはさまざまですが、まずは女性の更なる活躍に注力しようというグループ全体の思いがあります。パーソルキャリア株式会社の社員の男女比は女性が54%と半数以上ですが、課長以上の管理職の比率はその数値に達していません。この数字の違いの背景や課題があるのか見極めながら、DI&Eの目的に沿って管理職の数も男女の比率と同じ数値にしていきたいという考えがありました。


実施前に感じていた課題

ー女性のはたらき方やキャリアを後押しする施策を打ち出す際、どのような課題感がありましたか。

三石:女性は出産や育児などライフイベントによるざまざまな変化があり、はたらく環境やサポート体制によっては現場で経験を積み、スキルを磨く機会が男性と比較して少ない可能性があります。そのため、前もって自身の将来を考えることで、さまざまな変化により対応しやすくなると考えます。

また、女性の管理職のロールモデルが少ないこともあり、管理職に就くことに対して自信が持てなかったり、目の前の業務に集中しすぎて将来のキャリア像を描けなかったりするケースもあるんです。1on1で業務面の相談は上司とできていても、キャリアとライフイベントもふまえてこれからのはたらき方や将来をオープンに相談する機会もなかなかない。そこで、さまざまな事業部や職種、年齢、エリアの女性社員が集まって「タニモク」を行うことで、『将来像の解像度を高める機会を作ろう』となりました。


開催に備えて意識したポイント

ー通常2時間のワークショップを1時間で実施したとのことですが、工夫されたポイントを教えてください。

三石:参加者に実施時間の希望をヒアリングしたところ、時短社員や育児中の方もいるため、2時間も確保することが難しいという声がありました。説明部分やワークショップの時間を少しずつ削り、通常のタイムテーブルではワークショップ内で行う「自分の状況を絵に描く」ことを宿題として事前にやってきてもらうことで1時間に短縮できました。当日の進行がスムーズになるよう、開催前に宿題についてリマインドもしています。

ー参加しやすい環境づくりがされていますね。2日間開催にした理由も、参加したい方が選択肢を広げられるようにするためでしょうか。

三石:そうですね。2日間開催すれば、どちらか1日なら時間をつくれるという人を増やせると思いました。また、参加者が都合をつけやすい時間帯として午前中の10時~11時を選んでいます。

ー他に工夫されたことはありますか?

三石:社員の中には「タニモク」に参加する人は意識が高いというイメージがあるみたいなんです。そんなことないんですけどね。高くなってしまっているハードルを下げるために、「自分のことを考える機会がない方に」「モヤモヤしている状態を解消する」という文言を添えて、将来のことやこれからのキャリアを考えるきっかけとして参加してもらえるよう案内を送りました。


実施内容

ー今回は3人1組ということですが、どのようなグループに分けられたのでしょうか。

三石:事業部や職種、年齢ができるだけ重ならないようにしました。社員同士なので相手の仕事内容や携わっているサービスをまったく知らない相手ということはないですが、接点が少ない人同士でグループを組んでいます。距離を置くようにしたのは、利害関係がないことで本音で話をしやすくするためです。

ー今回の「タニモク」のテーマ設定を教えてください。

三石:モヤモヤしていることに対して選択肢を得ることをテーマとし、『半年後の「理想の姿」の切り⼝を得る』ことをゴールにしました。具体的には、自分が直面している状況を見える化し、他人の知識や観点を活かすこと、凝り固まっている先入観を壊すこと、そして社内で気軽に相談しやすいネットワークができることを目指してほしいと伝えています。

ー通常のゴール設定に加えて、女性社員が未来を描く機会という課題にフォーカスしていますね。それでは、当日の流れを教えてください。

三石:最初に「タニモク」ワークショップについて説明し、大まかな進め方を共有しました。その後は1人ずつ順番に主人公になる通常の「タニモク」と同じですが、1人あたりの時間を15分に設定しています。

ー短時間開催のために、タイムテーブルを細かく設定しておくことも大切ですね。事前にアナウンスしたという宿題について詳しく教えてください。

三石:事前の宿題は、上期の振り返りとして経験やエピソードを絵に描いてくるものです。テーマを4つ用意し、サンプルの絵と一緒に案内しました。

ーこの案内の仕方なら、初めて「タニモク」に参加する方も取り組みやすいですね。


参加者の声

ー参加された方からは、どのような声が挙がっていますか。

三石:パーソルキャリア株式会社の社員なので、「タニモク」の存在は知っている方たちですが、今回は参加者のほぼ全員が初参加でした。実施後のアンケートでは前向きな感想が寄せられています。中には、「勇気を出して参加してよかった」という声もありました。

アンケートの声(一部抜粋)
・これほど短時間で自分のことをわかってもらえ、相手のことを知れる感覚になれたことが嬉しかったです。
・いろいろな部署の方との交流は、普段やりとりしないからこその視点が得られました。
・自分の状況や感情を話すだけで、ここまで気付きが得られるとは思ってもいなかったです。
・私が何を大切にしているかや、どのような人間に見えているのかフィードバックしてもらえたことで、前向きな気持ちになれました。

ーとてもポジティブで感情にフォーカスした感想が多い印象です。みなさん充実した時間を過ごされたのではないでしょうか。

三石:今回の参加者には、3カ月間継続して「タニモク」と振り返りを行うワークショップの案内も行いました。10月~12月まで、1カ月に1度「タニモク」を実施するという内容なのですが、約20名の方から申し込みがあることからも、満足度が高かったのではないかと思います。

ーアンケートの内容を見た上で、三石さん自身はどのような感想をお持ちですか。

三石:実は、今回の「タニモク」では、目標と行動だけでなく、主人公の気持ちについても大きくフォーカスを当てています。参加者が受け取ったのは、思考的な内容よりも感情的な内容への反響が大きかったようですね。他には、実際に話してみないとわからない問いかけの重要性があると思います。今回、新たに「私から見て〇〇さんの…」というシートを用意したのですが、これを活用することで相手の表情にもより注目していたようです。相手が何を解決したいか知った上で提案をすること、受け取ることが継続的な行動につながると感じています。


「タニモク」で得られた効果と課題

ー女性の多様なはたらき方の応援として実施した今回の「タニモク」ですが、どのような効果がありましたか。

三石:アンケートの「参加前と後を比較して、自身に何か変化はありましたか?」という質問に対して、96%の方が「変化があった」と回答しています。他には、前向きな行動をとりたい方がいることがわかった点もよかったですね。

目標設定をする前に、自分が何に悩んでいて、何を解消したいのかというプロセスを踏んでいくことが大切です。内省→条件申請→メンタリング→自発的行動による解消という流れで意欲が向上していくため、1つずつ段階を踏んでいくことに価値があると感じました。

ー短時間開催という点で、学びになったこともあったのでしょうか。

三石:工夫次第で短縮バージョンの「タニモク」ができるという手応えがありました。ファシリテーター、テクニカルサポートなど役割分担を明確にできたため、進行がスムーズでしたね。サポートメンバーに予備の映写データを共有していたため、映写トラブルが発生してもすぐに対応できました。

課題点もいくつかあります。集合時間やブレイクアウトルームからメインセッションに戻る時間設定に余裕を持たせ過ぎてしまったことで、1日目の開催では予定時間をオーバーしてしまったんです。3人グループの内、1人目の主人公は計画通りの15分取れたのですが、2人目や3人目は時間が短くなって、不平等な形となってしまいました。問題はありましたが、その中でも学びがありました。

実は時間が足りなくなった1日目の開催時、参加者の1人が自主的にMicrosoft Teamsでグループを作成し、伝えきれなかった内容をチャットで送信していたんです。とてもいいなと思いました。そこから教訓を得て2回目は、最初に「今日は時間が短いため、話し足りない場合はお昼休憩などにコミュニケーションをとってください」と事前にお伝えすることで、短めの時間であったとしても、その延長を追ってグループチャットで伝えあうことができました。必ずしも時間内ですべてのワークを終えなくても、こうしたワーク後のフォローアップで新しい横のつながりが生まれて充実したものにできたんです。


今後の展望

ーDI&Eにつなげる女性活躍の場を広げるきっかけづくりの「タニモク」、今後はどのように展開していきたいと考えていますか。

三石:今回はトライアルの位置づけで実施しましたが、今後は自発的に「タニモク」を継続してもらいたいと思っています。定点観測をして意識や行動の変容を見守り、横に展開されていくことを期待したいです。「タニモク」が社内・社外問わず当たり前に活用されるようになったらいいですね。また、時間が足りなくなった経験から、得られたものや効果のナレッジ共有だけでなく、課題感や施策についてもシェアしていきたいと思いました。


まとめ

DI&Eや女性活躍推進を周知・推進していくために、パーソルキャリア株式会社で女性社員を対象に実施した「タニモク」の事例をご紹介しました。はたらく女性がさまざまな場でさらに活躍する原動力につながるものはそれぞれ違いがあるでしょう。今回の「タニモク」は、一人ひとりの参加者が自分の大切にしていきたい価値観に気付き、将来を思い描く時間になったのではないかと思います。自分1人ではなかなか気付けない「自分の活かし方」を、他人の力を借りて一緒に見つける時間を、これからも楽しみながら継続・展開していっていただけたら嬉しいです。

「タニモク」の台本や映写資料は、公式ホームページよりすべて無料でダウンロードできます。
友人同士や組織で「タニモク」を実施したいという方は、マニュアルをチェックしてみてください。


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