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【イベントレポート】人事限定「タニモク」フェス ~DAY2・オンボーディング編~

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは!「タニモク」編集部です。
『「タニモク」で組織を活性化させる』をテーマに、2023年1月11日・12日の2DAYSでオンライン開催された人事限定「タニモク」フェス。

今回のイベントでは、DAY1に「タニモク」未体験の方にワークショップを経験いただき、DAY2はゲスト企業に活用事例をご紹介いただいた後、テーマごとに分かれて「実践共有会」を行いました。

この記事では、【研修/オンボーディング】をテーマに「タニモク」を実施された、株式会社ADKホールディングスの事例と実践共有会の様子をご紹介します。

【研修/オンボーディング】での実践内容

ゲストスピーカーによる活用事例紹介では、株式会社ADKホールディングス(以下、ADK)の加藤雄一郎さんにご登壇いただきました。

ADKでは、【新入社員の導入研修】【若手のキャリア研修】で「タニモク」をご活用いただいています。それぞれの目的や成果についてお話しいただきました。


新入社員導入研修

新入社員の導入研修では、目標をたてることそのものではなく、「自己肯定感の向上」「自己効力感の向上」「周りからの支援」を目的に導入。新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった2020年4月から、毎年(合計3年間)実施いただいています。

ADKでは、初年度の「一番参考になる教科書は社内の身近なところにいると気付かされた」という感想から、【出会いから学ぶ】という気付きを意識。その気付きを「タニモク」で最大化できるよう、現在は【①カードdeトーク→②自己理解適性検査での自己理解ワーク→③「タニモク」ワークショップ】という流れで研修を実施しているそうです。

研修後のアンケートでは、「『やっぱり目指していいんだ』と改めて思えるようになった」「同期がどういうことを考えているのか真面目な話ができおもしろかった」などの感想があがりました。その中の「3年後もまたできたらおもしろいかも」という感想が、若手のキャリア研修での「タニモク」に結びついたそうです。


若手のキャリア研修

ADKでは、若手のキャリア研修を入社3年目のタイミングで実施しています。研修では、「複雑な多職種のリアルな対話」「自身の思い込みを外し、枠組みを広げる」を目的に「タニモク」を実施し、その後、異動を中心としたキャリア実現の機会を設けているそうです。

具体的には、「経験キャリアマップ」を対話の材料にして「タニモク」を実施。アンケートを実施した後に人事が面談を行い、異動調整を行っているそうです。

実施後のアンケートでは「自分の強みや足りていない部分を認識し、参考になった」「メンバーから指摘を受け、希望先を見つめ直そうと思った」などの感想があがり、より内容を整理したうえで面談を実施できるようになったそうです。


今後の展開

今後は新入社員研修時の「タニモク」でたてた目標を、3年後の若手キャリア研修の振り返り材料として活用できるよう、システムで保管すること、それによりワークショップにつながりをもたせることを目指しているそうです。


新入社員研修の詳細はこちらの記事で

新入社員研修の初年度の実施内容は、以前「タニモク」noteで取材をさせていただきました。詳細は、以下の記事をご覧ください。


質疑応答/ディスカッション

続いて、参加者の皆さんには興味のあるテーマのブレイクアウトルームに入室いただきました。参加者からの質問と加藤さんの回答をご紹介します。

Q:「タニモク」単体ではどれくらいの時間をかけていますか?

加藤さん(以下略):公式の枠組みを大きく変えず、2時間半程度です。主人公(目標を考えてもらう人)が変わるタイミングなど、要所要所で「キャリア形成に必要なエッセンス」「丁寧な振り返りの大切さ」などの解説を挟んでいます。

Q:運営側は何名で実施しましたか?

基本的には2名で、私(加藤さん)がファシリテーター、もう1名はZoomの操作を担当しています。キャリア研修の場合、欠席者や遅刻者が出ることもあるので、出欠チェックや連絡対応で冒頭のみもう1名参加してもらっています。

Q:「タニモク」は研修の何日目に実施していますか?

約1~2カ月ある研修の最終日前日または前々日に、配属先がわかっている状態で実施しています。最終日には今後の決意表明をしてもらうのですが、その際に「タニモク」の内容が出ることも多いです。

Q:適性検査の自己理解ワークから「タニモク」への流れを詳しく教えてください

適性検査の結果を見ながら、「データから見える自分」を分析します。続いて、グループで質疑応答をしながら「自分の強み」や「それが活かされた場面」などを共有していきます。

いきなり「タニモク」に入ってしまうと、質問力が問われたりバックグラウンドが見えなかったりという懸念があります。この流れで研修を組み立てると、事前に自己理解が進んだり相手のバックグラウンドを少し知れたりするので、目標にエピソードを活かしやすくなりますし、より話に厚みが出るように思います。

Q:グループ分けの際に意識していることはありますか?

構成されるメンバーで話の膨らみ方が変わるので、グループ分けはとても意識しています。新入社員研修では、他の研修でも毎回メンバーをシャッフルして固定メンバーをつくらないようにしていましたし、「タニモク」でも、これまで極力関わったことのない人同士でグループをつくりました。

キャリア研修では、異動調整前の面談よりも前に行うことから、「憧れや思い込みだけでなく、リアルを知れるように」「多様性を学べるように」を意識して、基本的に同じ部署の人や仲のよい人とは別グループになるようにしています。「やりたいこと」は大切にしてもらう前提で、「やりたいかも」「自分の強みを活かせるかも」にも向き合ってもらいたいと考えています。

Q:新入社員研修の「タニモク」で描かれたイラストにはどのような内容が多かったですか?

学生時代や部活のことを描く人が圧倒的に多いですが、中には生まれてから現在までを描いている人もいます。クリエイティビティが求められる会社ということもあり、こだわって描いている人もいます。

Q:3年間実施する中で、研修や「タニモク」ワークショップの内容にテコ入れはしましたか?

1、2年目は午後のみの開催で、適性検査結果の分析から「タニモク」に入っていました。3年目は研修時間を終日に延ばし、冒頭に「カードdeトーク」というコンテンツを追加しています。

就職活動を通じた出会いをどう学びにできるのかを考え、改めて自分の仕事観を見つめ直すことが目的です。参考にしたい人、同じポイントに共感する人は身近にもたくさんいるという気付きがあればいいなと考えていますし、それが社員の定着にもつながるのかなと思います。

キャリア研修の方でも、アイスブレイクで「キャリアアンカーで大切にしているもの」などを共有する時間をとっています。バックグラウンドなどを別の形で明らかにしてから「タニモク」に入った方が、場の盛り上がり方が違いますね。

Q:コロナ禍の採用にあたって、入社する社員に特性の違いはありましたか?あった場合、研修や「タニモク」でチューニングしたことはありますか?

初年度(2020年度)についてはコロナ禍を予期していない中での採用にはなりましたが、通常の採用計画で動きました。新入社員の特性に大きな違いはなかったので、研修や「タニモク」の基本的な内容は変えていません。それよりも、配属先を決める段階で、適性検査の結果などを踏まえて個々の特性が活かせるように工夫しています。

Q:「タニモク」未体験の人には、参加前にどのような伝え方をすると、前向きに参加したり興味を持ったりしてもらえるでしょうか?

前年度の感想を共有するなどして、「タニモク」が終わった後のイメージを持ってもらうのがよいと思います。ADKの場合、初年度は実績がなかったので、「タニモク」を提供しているパーソルキャリアのホームページに掲載されている、参加者の声を引用しました。

新入社員研修の場合では、事前宿題で「過去と現在の自分を絵に描いてきてください」と発信する際に、「ほぼ対話でアウトプットがメイン」「研修として捉えず楽しんでほしい」ということを併せて伝えています。

Q:研修で「タニモク」を実施するにあたって、社内で反対意見はありましたか?あった場合、どのように説得しましたか?

実は新入社員研修に「タニモク」を導入する3カ月前に、「目標設定を見直す」ことを目的とした全社研修を任意で実施していたんです。その際は「任意かつ自己啓発の一環でやるものなので、テスト的にやらせてもらいたい」と伝えました。

その実績があったので、参加者の声が説得材料になり、スムーズに導入できたと思います。いきなり階層別研修などに取り入れようとするとハードルが高くなる可能性もあるので、一度任意で実施した実績を活かすとよいのではないでしょうか。

Q:任意での全社研修の際、「タニモク」の告知・説明などにかかった期間やスケジュールを教えてください

告知は実施の1カ月前に、社内のイントラネットを通じて行いました。ちょうど期初の目標設定のタイミングだったので、「目標を考えてください」というお知らせの最後に、「ちなみに…」と追記した形です。「タニモク」単体で告知するよりも、参加者の心理的ハードルは下がったかなと思います。

開催日は、〆切の多い月末や月曜日・金曜日を避けて、比較的都合がつきそうな午前中に設定しました。とはいえ人数を確保できるか不安だったので、現場に多少根回しもした結果、20~30名程度が集まってくれました。


「タニモク」編集部より

加藤さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。
「タニモク」をより効果的にするために、目的に応じて他のワークショップと組み合わせている点が印象的でした。その他にも「関連する情報と併せて告知する」「参加者の声を説得材料にする」など、さまざまな工夫を聞かせていただきました。
「社員の自己肯定感を向上したい」「思い込みの枠を外したい」と考えている人事担当者の方には、とても参考になる内容だったのではないでしょうか。

DAY2では、この記事でご紹介した【研修/オンボーディング】の他に、【心理的安全性】【ダイバーシティ】をテーマにした共有会も開催されました。他の共有会の様子やDAY2全体の記事も、以下からぜひご覧ください。


「タニモク」の台本や映写資料は、公式ホームページよりすべて無料でダウンロードできます。
友人同士や組織で「タニモク」を実施したいという方は、マニュアルをチェックしてみてください。
実際に「タニモク」を体験した後は、「#タニモク」をつけて感想を発信していただけたら嬉しいです。みなさんの投稿も楽しみにしています!

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