見出し画像

【活用事例】つながりと自信を得られる場に『地方の起業塾×「タニモク」』

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは!「タニモク」編集部です。
noteでは、「タニモク」をさまざまな企業や学校でご活用いただくために、「タニモク」を実施した団体にインタビューを行い、活用シーンや実施の際の工夫点などをご紹介しています。

今回ご紹介するのは、宮城県富谷市が主催する起業塾での活用事例です。富谷市長が塾長を務める「起業・創業・まちづくり塾 『富谷塾』」は、起業だけでなく、まちづくりや仲間づくりをしたい方など、想いのある方々を幅広く受け入れています。将来何らかの形で富谷市に貢献することを条件として、富谷市外に在住の方も入塾でき、仙台市や県外から参加している方もいるそうです。

「富谷塾」を運営されている曽根さんと菅野さんに、「タニモク」実施の経緯や得られた成果を伺いました。


実施企業と参加者

◆実施団体名:富谷塾
 ・月に1回「定例富谷塾」を開催
 ・個別面談や塾生同士の交流を重視した各種プログラムを提供(会費無料)
◆実施時期:2023年10月9日(月・祝)10:00~12:00
◆開催場所:「富谷市まちづくり産業交流プラザTOMI+」にてオフライン開催
◆活用シーン:6期生の下半期の目標設定
◆対象者:富谷塾の塾生、富谷塾に興味のある方
◆参加人数:12名


実施のきっかけ

ー初めに、今回「タニモク」を実施することになった経緯を教えてください。

曽根さん:今回ファシリテーターをしていただいた、「タニモク」コミュニティディレクターの小松さんと私が知り合いで、元々「タニモク」ワークショップの存在自体は知っていたんです。個人的にとても興味があって、実際に参加したいとも思っていました。

富谷塾は、さまざまな想いを持つ塾生同士が出会い、学び合うことで新たなビジネスや活動を創出する、富谷市が主催する市民向けの起業塾です。とは言え、やる気さえあれば富谷市民に限らず誰でも入塾することができ、会費も無料です。

皆さん、何かしらの目標を持って入塾されているので、上半期を終えた10月初めのタイミングで「タニモク」を実施し、残り半年をどのようにしていくのか、改めて考える機会にしたいと考えました。

ー具体的に、「タニモク」のどのようなところに興味を持っていただけたのでしょうか。

曽根さん:他人に目標をたててもらう機会自体が普段なかなかないので、「どのような目標ができるんだろう」とわくわくしましたね。自分一人で考えると何度考えても結局同じ答えにたどり着くことが多いので、他人の視点を借りられる、新たな視点を得られるところが素晴らしいと思いました。


「タニモク」に期待したこと

ー起業塾ならではの課題観や、「タニモク」に期待したことは何ですか?

曽根さん:富谷塾には「起業したい」という方から「まちづくりがしたい」「仲間づくりがしたい」という方までが、幅広く入塾されています。ただ、入塾前の面談でじっくりお話を聞いていると、「起業することに迷っている」「自分がやりたいことはこれではないかもしれない」と、悩みや迷いを持っている方も多いんですね。

富谷塾のよいところは、いろいろな人と話す機会があることと、それによって「自分はこういうことにもっと興味があるんじゃないか」という気付きを得られることだと思っています。そうしたコミュニティの観点からしても、新たな発見を得る場として「タニモク」との親和性は高いと考えました。


実施内容

・タイムテーブルは通常の「タニモク」と同様(約2時間)
・3人1組で4グループを編成
・ファシリテーターは小松さん

ー当日の実施内容を詳しく教えていただけますか?

曽根さん:タイムテーブルは基本の「タニモク」と同じで、ファシリテーターは小松さんにお願いしました。グループは3人1組の4グループ。人数調整の関係で、菅野もグループメンバーの一人としてワークショップに参加しています。

ー「タニモク」のワークショップで工夫したことはありますか?

曽根さん:富谷塾のイベントでは入塾されていない方のお試し参加を可としているので、今回も塾生以外の方が2名参加してくださいました。参加者の年代は20代から60代くらいまでと幅広く、男女比は半々くらい。大学生や会社員の他、大学職員や個人事業主、会社の代表取締役、育休中の方など、属性はさまざまでした。

塾生同士は顔見知りではありますが、グループを作成する際は、できる限りあまり話したことない方とグループになるよう意識しました。あとは、ゆったりとした雰囲気になるよう、BGMを流しています。


「タニモク」を実施した感想

ー「タニモク」中の参加者の雰囲気や表情はいかがでしたか?
 
菅野さん:日頃関わる機会が少ない塾生同士をつなげる意図もあってグループを作成したので、最初は緊張した雰囲気もありました。けれど、ある程度顔見知りということもあり、すぐに打ち解けている様子でした。和気あいあいとにぎやかに実施できたかなと思いますし、全員で一つのコミュニティであることを認識する機会にもなったかなと感じています。

曽根さん:全体的にとにかく楽しそうで、話が盛り上がっている印象を受けました。お試し参加の2名もよく話されていて、すぐに馴染んでいたように思います。

終始スムーズに進んでいましたが、主人公(目標をたててもらう人)が同じグループのメンバーから目標を提案してもらった後に、「どういう意図か」などをメンバーに質問する時間がありますよね。そこだけ、提案された目標をどのように深掘りしたらよいのかに苦戦している方が何名かいらっしゃったように感じました。

ー今回はオフラインでの開催でしたが、オフライン開催ならではのメリットはどのような点にあるでしょうか?

曽根さん:実は、個人的に翌日のオンライン公式「タニモク」に参加したんです。最初に自分の状況を絵にするときに、オフラインであれば、お互いにわからないことを聞いたり、作業中の様子を見ることができたりしますよね。

この、周りの様子がわかること、感じられることがオフラインならではのよさであり、安心感につながる大事な要素なのかなと思いました。


「タニモク」で得られた効果

ー「タニモク」を実施したことで、どのような効果が得られましたか?

曽根さん:今回はお試し参加の方も含めて、日頃話すことが少ない方同士でグループを組みました。これは普段から心掛けたいのになかなか出来ていないことだったので、今回実行できてよかったと思います。

今回の「タニモク」の成果はすぐに形になったり可視化できたりするものではないと思うのですが、ワークショップの後に「よかった」「楽しかった」という感想をたくさんいただけたので、人脈づくりや新たな発見を得る場所として、「タニモク」が機能していたと感じています。

それから、富谷塾の塾生の方は「自分の話をしたい」「聞いてもらいたい」という方も多いのですが、やはり、日常会話の中で何分間も自分の話ばかりをするのは抵抗があると思うんです。「タニモク」の場では、確実に自分の話をする時間があって、質問をしてもらって、答える時間があります。そこが今回の塾生の満足度の高さにつながったのではと感じています。

ー参加者としての視点も伺いたいのですが、菅野さんは実際に参加されてみていかがでしたか?

菅野さん:参加者として得られた部分で一番大きいのは、「これでいいのかな」という迷いや悩み、弱い部分もさらけ出してお話しできたところです。「それはそのまま続けていけば次につながると思うよ」と言っていただけて、自分に自信がついた一つのきっかけになりました。

これまで自分自身で目標をたてることが少なく、今回、同じグループのメンバーにいろいろな視点から提案をしていただいたので、これからも他人に目標をたててもらう機会を定期的につくっていきたいです。

また、自分が目標を提案するシーンでは、プレゼンに対して「なるほど!」というリアクションをもらったことで、新しい視点を持つお手伝いができたのかなと嬉しくなりました。「タニモク」終了後にグループのメンバーと連絡先を交換して少し連絡をとったのですが、お試し参加の方に「新たな視点を得られてよかったです」「また顔を出します」と言っていただけてよかったです。


担当者コメント

ー全体を通して感じたことや、課題点などについてお聞かせください。

曽根さん:実は今回「タニモク」を実施するにあたって、「目標は自分でたてたいから」と欠席された方もいらっしゃったんです。実際は「他の方からいただいた提案を踏まえて、最終的には自分で目標をたてる」のであって、私たち自身も開催したことでそれを理解できました。

今回不参加だった方にも参加していただけた内容だったかもしれない、新たな気づきがあったかもしれないと感じたので、次回開催する際には「最終的には自分で目標をたてます」ということを、塾生の感想も踏まえてしっかりお伝えしたいと思います。

ー今後「タニモク」をどのように活用したいとお考えですか?

菅野さん:富谷塾にはさまざまな属性の方がいらっしゃるので、今回欠席された方にも参加いただいていたら、今回とはまた違った雰囲気になるのかなと感じました。塾生同士のマッチングが行えることもこのコミュニティのよさなので、「タニモク」を新たな視点を得たり深掘りしたりする手段としてだけでなく、つながりの支援としても有効に活用できたらと思います。

曽根さん:「タニモク」は今後も開催したいと考えているので、まずは「目標は自分でたてるもの」と考えていらっしゃる方への訴求法を検討したいです。

また、「タニモク」は次につなげないと効果が半減してしまう気がするので、定期的に集まって、「たてた目標が実際にどうなったのか」「どこまで進んだか」を振り返り、報告し合う機会もつくりたいと思っています。

それから、入塾の際の個別面談では、入塾希望の方に「どんなことをしたいのか」「どんな目標があるのか」を必ず聞いているので、この面談で「タニモク」を活用して、塾生やスタッフとお互いの話を聴き合うのもおもしろそうだなと考えています。


「タニモク」編集部より

曽根さん、菅野さん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。塾生の方々のニーズが「タニモク」とマッチした事例をご紹介いただきました。お互いの様子を感じられるオフラインでの開催と、同じコミュニティに属しているからこそ醸成できる安心感もまた、好意的なコメントにつながったのではと感じるお話でした。

「タニモク」は、オンライン/オフライン問わずに開催していただけるワークショップです。興味を持っていただけた方は、他の記事も参考にしていただきながら、ニーズや課題観、期待する効果などによって開催方法を検討してみてください。

▼オフライン開催事例はこちらにも

▼オンライン開催事例はこちらから

「タニモク」の台本や映写資料は、公式ホームページよりすべて無料でダウンロードできます。
友人同士や組織で「タニモク」を実施したいという方は、マニュアルをチェックしてみてください。
実際に「タニモク」を体験した後は、「#タニモク」をつけて感想を発信していただけたら嬉しいです。みなさんの投稿も楽しみにしています!

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!