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【活用事例】成果の最大化を目指して『チームビルディング×「タニモク」』(前編)

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
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こんにちは!「タニモク」編集部です。
noteでは「タニモク」を実施された団体や個人の方にインタビューを行い、活用方法や効果、工夫などをご紹介しています。

今回お話を伺ったのは、ウェルネス領域店舗向けの会員管理・予約・決済システムサービスを提供する、急成長中のベンチャー企業、「株式会社hacomono」の皆さんです。
ワークショップを「主催する人事側」と「参加する社員側」それぞれの視点でお話しいただいた内容を、前後編に分けてご紹介していきます。

前編では、ワークショップを主催した人事部の猿川道代さんに、実施の目的や開催時のポイントなどについて伺いました。

実施企業と参加者

◆企業名:株式会社hacomono
 月額型店舗のための会員管理・予約・キャッシュレス決済システム「hacomono」の開発・販売を行う
◆実施時期:2022年7月
◆実施頻度:1回のみ。今後については検討中。
◆活用シーン:チームビルディング研修の1つとして、オンライン開催
◆対象者:「カスタマーサクセス」「セールス」「BizDev(事業開発)」のチームメンバー
◆参加人数:18名


実施のきっかけ

ー今回、「タニモク」ワークショップを実施することになった背景を教えてください。

猿川さん:チームビルディングのための施策の1つです。当社は「ウェルネス産業を、新次元へ。」というミッションを掲げ、これまでフィットネス業界を中心として店舗業務の効率化に貢献してきました。今期はさらに顧客の本質的な課題に向き合い、本気で変革していくために非常に高い目標を掲げています。目標を達成するためには、「チームで成果を最大化する」ことが欠かせません。個々の能力が高くても、バラバラに進んでいては時間だけが過ぎてしまい、結果的に全員が疲弊してしまうからです。

各チームには入社1年未満の方も多かったので、「相互理解をして関係性を強くすることができる施策は何か」といろいろ考えた結果、「タニモク」が一番ワークしやすいイメージを持てました。チームのマネージャー層に声をかけ、今回は興味があると言ってくれた3つのチームのメンバー18名に参加してもらいました。

ー具体的に、「タニモク」のどのような点が実施の決め手になりましたか?

猿川さん:GROWモデルを応用し、シンプルでアクションに結びつきやすい対話のつくりになっていること、そして、当事者同士が場をつくっていくところです。利害関係や上下関係のない人同士で、限られた時間の中で相手のために時間を使って対話をし、結論を出して、目標を追いかけるというプロセスを参加者同士で相互支援できる形が良いと思いました。

ー猿川さんは以前から「タニモク」をご存知だったのでしょうか?

猿川さん:もともと「タニモク」プロジェクトオーナーの三石さんとは知り合いだったので、「タニモク」のワークショップについても年々盛り上がっているなぁと気になっていました。

ーそこから実施に至った理由は何ですか?

猿川さん:hacomonoのカルチャーやバリューが、「タニモク」とマッチすると思ったからです。当社のバリューは5つあり、その1つに、「コア・シンキング」というものがあります。"課題解決を目指して物事のコアと向き合う"というものなんですが、それを体現している人たちなら、研修にやらされ感を持って参加したり、「楽しかったね」で終わらせたりするのではなく、自分ごととして捉えてこの機会を活用してくれるという期待がありました。

また、「オープン&フェアネス」というバリューを体現することで、まだ深く会話したことのない相手とも、共通のゴールを目指しフェアな対話ができるだろうと考えました。


実施内容

●タイムテーブルは通常の「タニモク」と同様
●オンラインにて開催
●3人1組で6グループを編成
●接点の少ない人と一緒になるようなグループ分け

ー具体的な実施内容を教えてください。

猿川さん:タイムテーブルは通常の「タニモク」と同じです。パーソルキャリア株式会社の三石さんにファシリテーターをお任せし、私はオブザーバーとして各グループを見学していました。

現状を絵におこすことに苦労していたメンバーもいましたが、さまざまなタイプの方がいていいと思っていたので、口を出さずに見守っていました。

ーグループ分けで工夫したことはありますか?

猿川さん:できるだけチームが異なる人、関わりの少ない人がグループになるようにしました。まだ小さい組織ですのでどこかで関わりがある人同士もいましたが、社内チャットでの会話を遡ってみて、できるだけ関わり合いが少ない人を組み合わせました。


開催時に意識したポイント

・テーマは「1年後の個人目標」
・事例を提示した丁寧な説明
・対話のパターンに言及

ー独自のアレンジなど、開催時に工夫したことはありますか?

猿川さん:テーマを「1年後の個人目標」として、それを実現するための行動を3つ挙げてもらいました。事例がある方が目標を具体的にイメージしやすいと思ったので、事前に三石さんにお願いし、目標や質問の例をhacomonoの業務に近い形で提示していただきました。

猿川さん:事例を出したことで「このような目標をたてるんだ」「目標はこれほど大胆にたてていいんだ」ということが共有されたと思います。質問についての説明も丁寧に行っていただいたので、どの部屋もすぐにワークに入ることができました。

また、ワークショップで得た知識や体験をその場で終わらせるのはもったいないので、「対話の型を持ち帰り、ワークショップ以降も自由に対話の機会を作ってください」というお話もしていただきました。

猿川さん:「もやもやしているものを聴いてくれる人がいて、想いを話して、客観的かつ肯定的な目標提案をもらって、自己決定をする」というパターンを、OKR(目標とその達成度を測る指標)などにも取り入れると、行動につながりやすくなる、というお話をしていただき、ワークショップ後に早速実践したメンバーもいたようです。


参加者の声(アンケートより)

他人の視点をもらうことで大きな気付きにつながった。

チーム横断で交流ができて、お互い何に取り組んでいるのかが理解できた。

一人ひとりが何を考えて仕事に取り組んでいるかがわかって良かった。

チーム横断で頭の中を開放し合う時間は必要だと感じた。

時間とフレームワークの習得は必要だと思う。(内省→言語化→自己認知→目標設定→ステップ設定→ネクストアクションのサイクルを作り出す)

ビジネススキル・自己認知レベルの差があるともったいない気がした。よりその人にとって意味のある時間とするために、アウトプットの質を担保するような配慮があるとありがたい。

ーアンケートの声を受けて、いかがですか?

猿川さん:直後のアンケートでは、「他人の視点を借りることで自分では気付けなかったことに気付けた」というのが、一番多かった意見です。良いことも悪いことも含めて、想いをシェアできたというのは良かったみたいですね。概ね過ごした時間に対する評価は高かったです。

一方で、「全員中途入社のため、バックグラウンドや自己認知の度合いはさまざま。参加者にとって成果につながる時間になるよう、工夫をしてもらいたい」など、意見をもらうこともできました。

今回、実施のタイミングが目標設定期間の直後で、ある程度自分の目指す姿をイメージした状態だったことや、できるだけ現場の負担がかからないようにという観点から事前の宿題を出さずに当日を迎えたんですが、今後は事前準備を多少してもらうことで、より充実した時間にできると思っています。


「タニモク」で得られた効果

ー猿川さん自身が得られた効果としては、どのようなことが挙げられますか?

猿川さん:オブザーバーとして参加させていただき、「チーム内で、人とどんな関わり方をする方なのか」「会社や仕事に対してどう向き合っている人たちが集まっているのか」を知れたことが良かったです。

人事の仕事は、点の施策だけでなく、各部署が成果を最大化させるために横串でサポートしていくことも含まれます。ですが、「みんなが求めていないのに人事がやりたい施策」や「世間一般的によしとされている理論や成功事例の踏襲」はやりたくなかったんです。今回、「タニモク」でみんなが本音で話し合っている場面を見ることができたのは、社内に還元できる情報だと感じましたし、日頃同じ部署で実務をしていないからこそ、場を共にできたことはとても意味がありました。

メンバーへの効果については、状態の変化を追っているところなので、その結果も含めて今後の施策を検討していきたいと思います。


担当者コメント

ー各部屋の見学を通して感じたことなど、「タニモク」を実施した感想をお願いします。 

猿川さん:組織サーベイや社員面談をしているとほぼ全員が「hacomonoのカルチャーを気に入っている」と言います。カルチャーの一側面を言葉にすると「ピープル・ファースト」であることなんですが、「タニモク」の雰囲気を見ていても、みんなもっと話したいんだな、人と関わることを大事にしているんだな、と思いました。自分のことを話したい人も、仲間のことを知りたいという人も多くいました。

一方、今回、チームメンバーの参加は挙手制でなかったので、ワークショップ自体に興味がある人・ない人がいました。それでもあえて全員参加型で実施したのは良かったと思っています。
例えば、「タニモク」にあまり興味がないAさんにとっては、もしかするともったいない時間だったかもしれないけれど、とても興味があるBさんにとっては、Aさんのことが知れるとてもいい時間だった。そう考えると、チームとして成果につながる結果になったと、運営としては認識しています。

1回やってみないとわからないところもあるので、今回いただいた意見も踏まえ、次回以降同じ組織でやるときには、挙手制にしようと考えています。

ーお話を伺う中で、猿川さんの事前準備や組織長との期待値調整も重要だったのではと感じています。実施にあたり、どのようなことを意識されましたか。

猿川さん:私個人としては、一人ひとりとの密な対話を心がけ、Slack内を巡回したり日報を確認したりするなど、日頃からみんなの反応を観察しています。

今回は、その中で浮かんできた「チームビルディング系のコミュニケーションが必要だ」という課題に対して、「タニモク」が必要なのでは、と取締役や組織長と共有し、納得していただいた上で実施しました。

もともとコーチングへの理解が深い会社で、それがバリューにも反映されているのですが、組織課題にアンテナが高いマネージャーが3人もいてくれたというのは大きかったですね。

ー先ほど次回以降、というお話がありましたが、今後「タニモク」をどのように活用したいとお考えですか?

猿川さん:絶賛検討中です。hacomonoには1on1を行う習慣ができているのに加え、コーチングやカウンセリングなどの外部サービスも利用できます。そこであえて違う切り口で人を集めて何かをするには、ニーズがあり、成果に結びつくテーマや集め方をしなくてはいけません。そのような意味で「タニモク」の集め方はすごく有効だと思っているので、あとはコンテンツをどう定めていくかが課題ですね。


後半に続きます!

猿川さん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。猿川さんのメンバーに対する熱い想いや姿勢が伝わってきました。

インタビュー後編では、実際に参加された方々に、「タニモク」で印象深かった点や得られた効果などを伺っていきます。後編もぜひご覧ください!


「タニモク」の台本や映写資料は、公式ホームページよりすべて無料でダウンロードできます。
友人同士や組織で「タニモク」を実施したいという方は、マニュアルをチェックしてみてください。
実際に「タニモク」を体験した後は、「#タニモク」をつけて感想を発信していただけたら嬉しいです。みなさんの投稿も楽しみにしています!