【イベントレポート】「タニモク」フェス DAY2:JR東日本の活用事例「同期交流研修での活用」
こんにちは!「タニモク」編集部です。
“1on1や研修だけに頼らないキャリアオーナーシップの向上”をテーマに、2024年1月10日・11日の2DAYSでオンライン開催した「タニモク」フェス。
DAY1は、人事、採用、教育・研修、組織開発などに携わっている方、組織文化やダイバーシティ推進に携わっている方を対象に、「タニモク」ワークショップの体験会を実施。DAY2では「タニモク」に興味のあるすべての方を対象として、ゲストトークとテーマごとの実践共有会を行いました。
この記事では、DAY2に行われた【同期交流研修での活用】をテーマに、社内で「タニモク」を実施した東日本旅客鉄道株式会社 東京建設プロジェクトマネジメントオフィスの実践共有会の様子をご紹介します。
▼DAY1のレポートはこちらから
■ゲストトーク:テーマ「同期交流研修での活用」
「タニモク」の活用事例紹介では、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本) 東京建設プロジェクトマネジメントオフィス(東京建設PMO)の西山洋輔さんにご登壇いただきました。
<「タニモク」活用の背景と目的>
東京建設PMOは、鉄道サービスの基盤となる駅や線路などの新設・改良プロジェクトをマネジメントする機関で、「土木」「建築」「機械」「事務」の4系統が連携して業務を行っています。
系統間の連携が重要であることから、
の狙いを達成すべく、「同期ネットワークの関係性向上」「多様な視点によるキャリア対話機会の増加」を目的として、オフラインで「タニモク」を実施しました。
実施の際は「同期のつながり」「オフラインだからこその付加価値」を意識しました。
<「タニモク」実施内容①:新入社員の同期交流研修>
まずは、入社から約1年が経つタイミングで実施する「同期交流研修」での活用事例です。ライフラインチャートを使用して自身の経験を見える化・再認識したのち、質疑応答の時間に入ります。1人あたりのワーク時間は、通常の「タニモク」のタイムテーブルよりも長めに設定。同期だからこそ、素直に想いや悩みを打ち明けられるように工夫しました。
<参加者の反応>
全体の満足度(5段階評価)は平均4.62で、全員が「自分では気づけなかった目標や個人目標の後押しを得ることができた」と回答しました。具体的なコメントでは、「新たな発見が得られた」「やる気が出た」「共感しあえる同期の意見は受け入れやすい」などポジティブな反応が多く寄せられました。
▼詳しい実施内容はこちらの記事をご覧ください
<「タニモク」実施内容②:階層別の系統横断研修>
続いて、「入社2年目」「入社6年目」の社員に実施する系統横断研修についてご紹介します。
<入社2年目の系統横断研修>
社外のフィールドワーク施設を使用して2日間にわたって行われた研修では、1日目にゲーム性のあるグループワークを通じてチームビルディング研修を行い、2日目は1日目と同じグループで「タニモク」を実施しました。
「タニモク」では、最初に個人で半年前の「同期交流研修」時にたてた目標の振り返りを行います。続いて、1日目のフィールドワークを通して自分にどのような強みがあるのかをグループのメンバーからフィードバックしてもらいます。最後に、目標の達成状況やメンバーの視点から得られた強みを踏まえて、目標のアップデートを行う、という流れです。
<参加者の反応>
<入社6年目の系統横断研修>
入社6年目の系統横断研修では、事前の宿題として6年間の振り返りを依頼。「タニモク」当日はそれを同期間で共有・フィードバックするとともに、ライフラインチャートを活用して今後のキャリアを考える、というワークを行いました。
<参加者の反応>
「やりたいことを改めて認識する機会になった」「自分を見つめ直すきっかけになった」などの感想が寄せられ、同期間の関係性の質も向上したようです。
<担当者コメント>
最後に、西山さんに運営した上での気づきと今後についてお話いただきました。段階に応じて同期間の交流を行うことで上記のような効果を得られたので、今後も「同期ネットワークの関係性向上」「多様な視点によるキャリア対話機会の増加」を意識していきたいとのことでした。
■実践共有会
実践共有会は、参加者が登壇者に直接質問し、ディスカッションする場です。階層別の同期交流研修で「タニモク」を実践したJR東日本の西山さんのルームの様子を一部ご紹介します。
西山さん(以下略):社内研修のため、全員参加を必須として実施しました。
反対意見は特にありませんでした。コロナ禍でなかなか対面的な研修ができなかったということもありますが、これまでの反省として一方通行の研修ではなかなか継続しなかったり落とし込めなかったりということがありましたので、環境の違う場所での実施と対話形式という形で、少しでも研修の記憶を印象付けてもらいたいと考えて打診したところ、共感してもらえました。
普段同期と一緒にプロジェクトを進める機会は稀ではあるんですが、今後困ったときや新しいプロジェクトを始めるとなったとき、一番最初に頼れるのは同期なのかなと思いますし、同期とのつながりは離職防止にもつながると考えています。同期とのつながりを強固なものにするには1年目でいかにコミュニケーションとれているかが重要だと感じ、1年目のフォローアップ研修で実施したという形です。実際に会話の数がより増えたという声も聞いているので、「タニモク」を活用した研修が会話のきっかけになっているのかなとも思います。
自分が体験した「タニモク」でライフラインチャートを使用していたということもありますが、三石さんに「どういった内容にすると目標を落とし込みやすいか」ということを相談させていただき、当日その場で可視化すると頭の整理にもなりますし、他者にもわかりやすいということから、ライフラインチャートを活用しています。見える化して共有することが大切なのかなと感じています。
1日目はフィールドワーク施設を借りて、「業務上必要な基礎知識の問題を順番通りに解き、いち早くゴールに辿りついたグループが勝ち」という主旨の謎解きや、ペーパータワーに挑戦してもらいました。そこで感じられた「知識がある」「行動力がある」「リーダーシップがある」といったそれぞれの強みを、2日目の「タニモク」でフィードバックするという流れです。
グループも系統がバラバラになるように配慮し、事前に実施した性格診断で相性のよい方と組むことができるようにもしました。
2年目以降の研修の内容は、同部署のマネージャー、チーフ、私の3名で企画をしています。2年目の研修はその場限りの研修にならないよう、記憶定着の定着を意識してゲーム性の高いものにしました。
6年目の研修はゲーム性とは離れてしまいますが、勤続年数を重ねたことによってより将来のことを考えられるようになるのかなと考えています。
2023年度から本格的に運用したので、まだ部門間などは検討しきれていないというのが実状です。ですので、当面はこの形で継続していき、いずれはさまざまな世代や系統にも広げていけたらと考えています。
■「タニモク」編集部より
西山さん、参加者のみなさん、ありがとうございました。
定期的に「タニモク」を取り入れることで、目標のアップデートや定着が図れるとともに、同期間の絆が強固されることでポジティブな効果がたくさん生まれているように感じました。
チームビルディングや同期の関係性構築、段階別研修に悩まれている方の参考になる内容だったのではないでしょうか。
DAY2では3社による「タニモク」の活用事例・実践共有会があり、この記事でご紹介した【同期交流研修での活用】の他に、【新任管理職研修の活用】【ChatGPTによる目標支援】をテーマにした事例発表もありました。他のゲストトークや実践共有会の様子、DAY2全体の内容は、以下からぜひご覧ください。