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【イベントレポート】「タニモク」フェス DAY2:コクヨの活用事例「新任管理職研修の活用」

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは!「タニモク」編集部です。
2024年1月10日(水)・11日(木)の2日間に渡り、“1on1や研修だけに頼らないキャリアオーナーシップの向上”をテーマに「タニモク」フェスを開催しました。

DAY1は、人事、採用、教育・研修、組織開発などに携わっている方、組織文化やダイバーシティ推進に携わっている方を対象に「タニモク」ワークショップ体験会を実施。DAY2では「タニモク」に興味のあるすべての方を対象としたゲストトークや実践共有会を行いました。

この記事では、DAY2に行われた【新任管理職研修の活用】をテーマに社内で「タニモク」を実施したコクヨ株式会社の実践共有会の様子をご紹介します。

▼DAY1のレポートはこちらから


■ゲストトーク:テーマ「新任管理職研修の活用」

ゲストスピーカーによる「タニモク」の活用事例では、コクヨ株式会社(以下、コクヨ)ヒューマン&カルチャー本部 コクヨアカデミア ファカルティユニットの佐藤陽介さんにご登壇いただきました。

<「タニモク」活用に至るまでの背景>

管理職に昇格すると一息つきたいと思うのは自然なことですが、関心や情熱が薄れないうちに内省を深めてほしいという背景から、コクヨでは新任管理職を対象とした研修を行っています。事前のアセスメントで気づきを促し、数日間の実践を経て、更なる高みを目指す合計5日間のプログラムを実施しました。

2023年の研修では、5日間の研修プログラムの最終日に「タニモク」を実施。実は、研修を設計した当初は5日目の「タニモク」を予定していませんでした。最初の2日間に事務局の想いが先行してインプットが多めの一方通行気味になり、内省による気づきが不足してしまったことを反省し、上長に相談の上、5日目に急遽「タニモク」を盛り込みました。

<「タニモク」実施内容>

◆実施のタイミング:5日間の研修の最終日
◆テーマ:職場実践の振り返りと更なる目標設定
◆グループ:4人1組、全2グループ
◆実施形態:オンライン

予定外の実施でしたが、「タニモク」の公式サイトからダウンロードできるマニュアルをもとに、1人あたり30分になるようアレンジを加えました。終了後は2つのグループが合流し、アップデートしたアクションプランを全体に共有。最後に人事担当役員から一人ひとりにフィードバックを行いました。

<参加者の反応>

消化不良気味だった研修当初のNPS(ネットプロモータースコア)は-19%。しかし、「タニモク」を実施した最終日には9%に回復するほど、参加者から高評価を得られました。

NPS高評価者の感想の一部

・同じグループの人に自分のアクションプランを話すことで、自分の現状を整理できた。他人から目標や行動を提示されることで、自分にとって抜けている視点に気づき、視野が広がったような気がする。

・業務上ほとんど関連のない方に対して質問をしたり目標を考えたりすることが、とてもよい刺激になった。

・自分の業務の範疇から離れ、手探りで頭をはたらかせるのは視野を広げるよい刺激になった。

・他人が自分のモヤモヤを言い換えてくれる点がよかった。

NPS中・低評価者の感想の一部

・まったく知らない業務に関する悩みについて考えることがむずかしかった。業務以外の組織運営などの課題を設定するとわかりやすいと感じた。

・管理職の経験を重ねて、戸惑いなどが出てきた頃に実施した方がよかった。

・他人にたててもらった目標やコメントに引っ張られ過ぎるのも注意が必要だと思った。

<担当者コメント>

「タニモク」ワークショップの始めに行う、自分の状況を絵に描く部分を省こうかとも考えましたが、飛ばさずにやったことで言葉で説明しきれなかったことが可視化されました。

来年はプログラムの冒頭に「タニモク」を盛り込むことで、ビフォーアフターをより感じやすくなるのではないかと考えています。また、研修の卒業生に今後の「タニモク」ファシリテーターとして参画してもらうことで双方向の成長も期待しています。

■実践共有会

ブレイクアウトルームごとに実践例の詳細プレゼンテーションを行いました。参加者が登壇者に直接質問し、ディスカッションする場です。新任管理職の研修で「タニモク」を実践したコクヨの佐藤さんのルームの様子を一部ご紹介します。

Q:予定の研修プログラムから急遽「タニモク」に変更されたとのことですが、これまでにやったことがない研修を突然導入できた経緯を教えてください。

佐藤さん(以下略):もともと上長が「タニモク」を知っていたことが大きかったですね。実は前から研修に「タニモク」を入れてみてはどうかと言われていたこともあり、飛びつきました。組織としては「タニモク」を受け容れる下地があったんです。受講者に研修プログラムの変更を伝えた際も特に問題はありませんでした。互いに話すというスタイルを伝えたら好反応でしたね。

Q:20代や30代の社員の方が思考の柔軟性があって「タニモク」に取り組みやすい印象があります。管理職向けの研修に取り入れた場合、参加者に抵抗感はなかったのでしょうか。

今回は研修とセットだったので全員参加でしたが、概ねありませんでした。アンケート結果で低評価だった人も年齢属性ではなかったと思います。「この研修で具体的に何か持ち帰りたい!」というトーンの人にとっては戸惑うかもしれません。

Q:研修の卒業生を、次回のファシリテーターにしたいとのことでしたが、組織開発施策としての展開などは考えていますか?

お互いで学びあうことが効果を深めるので、結びつけたいと思っています。人事からだけの発信だと、発信する側と受けとめる側になってしまいがちなので、一方通行にならないように双方向に発信できるように自ら参画してほしいです。

Q:研修卒業生のファシリテーターは、全員がやりますか?それとも手上げor人事からの依頼でしょうか?ファシリテータの向き・不向きや、仕事の忙しさなどがあるかと思うのですが教えてください。

今、すごくその部分を考えています。全員にファシリテーターの機会を作るのは無理なので、ある程度は挙手制と人事からの依頼をミックスして検討中です。ファシリテーションのガイドをし、不向きな人ほどやってもらうのもいいかもしれません。

Q:「タニモク」終了後の効果測定の勘所を教えてください。

それぞれの上長や役員にバックしていくことが人事としての仕事なので、ものすごく大事な部分ですね。「タニモク」でみつけた個々の目標とエンゲージメントをいかに配置や異動につなげていくか。いずれにせよ人事が答えを出すところではありませんが、議論の材料にはできます。何らかのアンマッチがあれば我々から上長へフラグを立てることにつなげていきたいです。

Q:「タニモク」を活用して人事側から積極的に介入していくというイメージですか?

人材育成の議論については、部門側は日々の業務や足元の課題がどうしても気になってしまうので、慣れてくるまでは介入していく感じです。

Q:研修を実施する上で、パーソルキャリア株式会社との関わりはあったのでしょうか?

公式「タニモク」に1度参加しました。研修に取り入れる前に部内で何度かやってみたんです。初めてでも敷居は高くありませんでしたよ。

■「タニモク」編集部より

佐藤さん、参加者のみなさん、ありがとうございました。
新任管理職を対象とした研修プログラムの一部に「タニモク」を取り入れることで、対話ならではの気づきを双方向に体感できた事例をお話いただきました。5日間のどの部分で「タニモク」を行うかなどの工夫や、人事としての「タニモク」の効果的な活用方法などの展望は、参加者も自分の状況と照らし合わせて共感しやすい内容だったのではないでしょうか。

DAY2では3社による「タニモク」の活用事例・実践共有会があり、この記事でご紹介した【新任管理職研修の活用】の他に、【1年目社員のキャリア研修の活用】【ChatGPTによる目標支援】をテーマにした発表もありました。他のゲストトークや実践共有会の様子、DAY2全体の内容も以下からぜひご覧ください。

「タニモク」についてもっと知りたいと感じた方は、公式ホームページもご覧ください。
定期的に専任のファシリテーターが実施する「タニモク」を開催しているため、興味をもった方はぜひ体験してみてくださいね。


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