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愚問は最高の学びになり得る!積極的に質問しよう

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
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こんにちは!「タニモク」編集部です。

「タニモク」のワークショップでは主人公(目標をたててもらう人)の自己紹介・現状説明の後に、質疑応答の時間があります。
一方で、編集部には「どんなことを質問したらいけませんか」「"こんなことを質問してもいいのかな"と考えてしまいうまく質問ができません」などの声が寄せられることも。

そこで今回は、そんな「こんなこと=聞く価値のない質問(愚問)」だと思っていることが、実はとても大事な切り口になり得る、というお話をしたいと思います。

積極的に質問が出てこない背景

会議やグループワークの質疑応答で積極的に手が挙がらない
気になることがあるのに周囲の目が気になって聞くことができない
ーー誰しも、1度はこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

このような光景・思考の背景には、文化的価値観の違いがあると言われています。
よく知られるのは、ヘールト・ホフステードがIBMで行った調査結果。
国別の文化的価値観の違いを分析・数値化したこの調査では、「集団主義」と「個人主義」の違いが特徴的だったそうです。

集団主義的な性格は自分を集団の一部であると考えるため、"私たちは"という視点で物事を考える傾向が強くなると言われています。
つまり、「"みんな"の役に立つ質問をしなければ」「"私"は○○について気になったけど、"みんな"は気にならないかもしれない」という意識が生まれ、"みんな"の規模が多くなるほど質問が出にくくなる、というメカニズムが発生するそうです。

全ての人に当てはまる訳ではありませんが、日本は集団主義的な性格が強い傾向にあります。
「"みんな"が気になる質問」に目がいき、「こんなことを質問してもいいのかなぁ」と思ってしまいがちなのだそうです。



愚問で議論を活性化させた湯川秀樹さん

少しでも「わからない」「気になる」と思うのであれば、周囲に気兼ねする必要はありません。
役に立つ質問か、というよりも、あなた自身の聞いてみたいという気持ちが大切です。

ここで1つの事例をご紹介します。
1949年に日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹さんのエピソードです。
湯川さんは、定年間際にも教授をしていた京都大学内のさまざまな研究発表会に顔を出し、とんちんかんな質問を連発していたのだそう。

その場の誰もがわかりきっている答えが返ってくるたびに「俺、あほや」「またやってしもた」と落ち込む湯川さん。
一方で、時折、その愚問の1つが全く違う切り口の視点を与え、議論を活性化したり新しいアイデアが生まれたりしたことも事実だそうです。

きっと、このご本人の多角的な視野が、ノーベル物理学賞受賞という結果や他の研究者の深い学びにつながったのではないでしょうか。
湯川さんは1965年に同じくノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎さんと永遠のライバル関係にあり、研究に大きく影響を与えたともされています。

同じような例として、内定者との懇親会や新入社員の歓迎会などでは
「なぜこの会社を立ち上げたのか」
「この会社のどこが一番いいと思っているのか」
「今後どうしようと思っているのか」
などの素直な質問が連発されるため、経営層にとっては内省が深まり、勉強になるというお話もよく聞かれます。
素朴な質問が、新しい観点を生むこともあるのです。


愚問は多くの可能性を秘めた「最高の質問」

「こんな質問をしてはいけないのではないか」「よい質問をしたい」と考えるのは悪いことではありません。

しかし、相手への関心や好奇心から生まれる「愚問」には、

時に、みんなの知りたいことを共有する機会になる
時に、質問の敷居を下げて、議論を活性化するきっかけになる
時に、驚きの発見を生み出す可能性がある

こんな効果があります。

自分だけで物事を考えるにはある程度の限界があるので、質問がくるって、実はとても貴重なことだと思うんです。
だから、聞きたいことは、素直に、率直に、積極的に投げかけてみてください。
あなたの考える「愚問」が、他者にとっては視野が広げたり、切り口のヒントになったりする「最高の質問」になるかもしれません。

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