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【イベントレポート】「タニモク」で組織を活性化!「タニモクフェス」開催

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは。「タニモク」編集部です。
2021年1月14日、『「タニモク」で組織を活性化させる』をテーマに、人事限定「タニモクフェス」をオンラインにて開催しました!
イベントは2部構成で、1部ではゲストをお招きして、トークセッションと事例紹介を実施。
今回はそのうち、1部の内容をご紹介します。
「タニモク」をより深く知る機会として、人事課題解決のヒントをつかむきっかけとして、「タニモクフェス」の内容をぜひご覧ください。

イベントの概要

2020年は、新型コロナウイルスの影響でテレワークが浸透するなど、企業や個人の働き方に大きな変化が求められた1年でした。

一方で、個々人の働き方に分断が起こり、「社員同士のコミュニケーション不足」「組織の一体感の欠如」など、組織の課題が表面化しつつあります。組織に一体感を取り戻す、そして一人ひとりの自発的な行動を引き出したい――そう多くの人事担当者が考えているのではないでしょうか。
私たちはこれまで、他人同士で目標をたてあう「タニモク」を通して、支援しあえる仲間ができ、お互いの目標と行動を後押ししていく、そんなケースをたくさんみてきました。

いい目標は、「個人」を変え、「組織」を変えます。「タニモク」で組織・人事課題解決のお手伝いができたらと考え、今回の人事向けイベント「タニモク」フェスを開催しました。



パネルセッション:「ニューノーマル時代の組織と人事の役割」

【登壇者の紹介】
志水静香さん(株式会社ファンリーシュ CEO兼代表取締役)
 組織の枠を超えて積んだ経験が個人の能力を引き出すと考え、「越境学習」の観点から、現在大学やNPO、ベンチャー企業などの機関で組織開発・人材育成のアドバイザーとして活動中。

三石原士(「タニモク」プロジェクトリーダー)
 2017年に「タニモク」を開発。年間1,000名超の目標設定に関わる。パーソルキャリアのミッションー人々に「はたらく」を自分のものにする力をーを推進するエバンジェリストとして、はたらく個人がキャリアオーナーシップを身につけるためのプログラム開発などに従事。

はじめに、戦略人事や組織開発に精通されている志水静香さんより、「変化に強い組織と個をつくる」ための切り口をお話しいただきました。

◆組織の課題
終身雇用が前提のキャリア観が崩壊し、一人ひとりが自分のWill(やりたいこと)や関心に沿ったキャリアを築く時代が本格的に訪れつつある=働く人の自律革命

経営者や人事は社員に主体的に行動してほしいと求める一方で、それができる環境・制度になっていない現状がある。

◆変化に強い組織をつくるために必要な5つの項目
①個人の働く意義&やりがい
②主体性・自律を促す風土
③フラットなコミュニケーション
④シェアードリーダーシップ
⑤学びの促進・社内外のサードプレイス

◆変化に対応できる個を目指すためには
・Need(求められていること):役割・責任
・Can(得意なこと):スキル・能力・才能
・Will(やりたいこと):動機・意欲
このうち、Willを見つけて目標につなげることが大切。

210430_タニモクnoteサムネイル_no.03【タニモクフェス1部】図版追加

社員の中には自分だけではWillを見つけられない人もいる。
Willを発見するためのコミュニティやつながりを提供するために、「タニモク」のようなワークショップを活用するのも一つの方法ではないか。

最後に。社員一人ひとりのWillを引き出すためにも、人事が何よりも自分のWillを大切に行動していこう。

グラレコ①



パネルトーク:『組織を活性化させる「タニモク」の効能』

登壇者の紹介
井上亮太郎さん(パーソル総合研究所 主任研究員)
 人や組織、社会が直面する複雑な諸問題をシステミックに捉えて分析し、創造的に解決するための知見を深めたいと考え、2019年より現職に。主体性の研究から発展し、仕事のワクワク感や笑顔に寄付するプロジェクトなどに携わる。

続いては、パーソル総合研究所の主任研究員で「はたらく人の幸福学プロジェクト」のプロジェクトリーダーである井上亮太郎さんにもご参加いただき、プログラムの実証実験で明らかになった、「タニモク」が「はたらく幸せ」に与える効果と組織を活性化させる切り口について、お話ししました。

「タニモク」×「働きがい」で、行動を後押しするオンラインプログラム

◆プログラムの流れ
・3人1組で3回ワークショップを実施し、目標をたてる
・他の人がたてた目標と行動に対して、コミュニケーションツールでコメント・反応する
・実施前・実施直後・1カ月後にアンケート(はたらく人の幸せ/不幸せ診断を含む)を取り、意識の変化を検証する

◆結果
・はたらく人の幸せの7因子
 ①自己成長(新たな学び)
 ②リフレッシュ(ほっと一息)
 ③チームワーク(ともに歩む)
 ④他者承認(見てもらえてる)
 ⑤他者貢献(誰かのため)
 ⑥自己裁量(マイペース)
 ⑦役割認識(自分ゴト)
このうち、「チームワーク」「他者承認」「他者貢献」が向上

・はたらく人の不幸せの7因子
 ①自己抑制(自分なんて)
 ②理不尽(ハラスメント)
 ③協働不全(職場バラバラ)
 ④不快空間(環境イヤイヤ)
 ⑤評価不満(報われない)
 ⑥疎外感(ひとりぼっち)
 ⑦オーバーワーク(ヘトヘト)
このうち、「自己抑圧」が降下

・それぞれ1カ月後も効果が持続していた

◆考察
・「タニモク」×「働きがい」プログラムの介入効果があった
・今回のプログラムは、行動を後押しする仲間と一緒に自分の働きがいに紐づく目標をたて、一緒に踏み出すきっかけになり得る
・社内で継続実施していくことで、意欲的に働き、お互いに応援しあえる仲間が増えていくのではないか

この検証の結果について、井上さんは

井上さん:効果を検証して「やっぱりそうなんだ」と感じました。自分で抑えつけてしまっている部分のタガが「タニモク」で外れて、自己抑圧因子が有意に下がっていたことがおもしろかったです。今回は年齢・役職・部署をバラバラにして、ランダムに3人1組のチームを作りましたが4人や5人でもよいと思います。できるだけ普段関わりのない人たちがグループになるように意識するといいですね。

と話されていました。

他の登壇者からも、

三石:今回の検証は任意参加で手上げ。参加を強制にしなかったというところもポイントになりそうです。自分や他人のWillを引き出すのは難しいですが、やってみて気付くWillもありますね。

志水さん:私が評価制度の研修やワークショップや「タニモク」を実施するときは、普段関わりのない人や他部門の人同士でチームを組んでいます。よい意味で前提が崩れて、自分がいつも見ている世界とは別の世界から面白いボールが飛んでくる。自分のやりたかったことを話すと、他の人から「それ話しているときの◯◯さんすごく楽しそう」「本当はそれをやりたいんじゃないの?」と言われて気付きになることもあるようです。

などのお話がありました。

グラレコ➁



ゲストトーク①

『新人研修の1つとしてオンラインで実施』
株式会社ADKホールディングス 加藤雄一郎さん

ゲストトークでは、はじめに、株式会社ADKホールディングス・人事企画部の加藤雄一郎さんより、自社での「タニモク」の活用例をお話しいただきました。

新入社員研修の中の1つとして、4月にオンラインで実施

◆実施の目的と背景
・自己肯定感UP(現場に出た後の自信喪失を以前から感じていた)
・自己効力感UP(リモートワークに伴う周囲からの刺激が不足していた)
・周りからの支援UP(支えとなる同期との関係を構築したかった)
⇒「タニモク」を自己理解と他者理解を通して、自分の武器を理解し前進していく手段にしたい

◆実施のポイント
・現在と過去の自分をテーマに絵を描き、画像データにしてくる
・受検した適性検査の結果を用いて、自己理解ワークショップを実施
・丁寧すぎるくらいの説明スライドを準備

当日は、研修というよりサークル活動の雰囲気に近い形で行われたとのこと。参加した方からは、

・一番参考になる教科書は社内の身近なところにいると気付かされた
・どんな飲み会よりも相手のことがわかった
・自分がやりたいことを目指してよい、と思うことができた

などの感想が寄せられたそうです。オンラインによる実施のため、言葉や視覚情報に集中できたという感想もあったとか。

今後は実施後の接続を意識し、目標の追い方を検討したり3年後のキャリア研修との接続を考えたりしたいとのこと。異なる職種や部署だからこそ気づけるおもしろみも活かしていきたいとのお話もいただきました。

登壇者からは、

ワークショップを実施するだけで終わらず、その後の研修や他のものにつなげていくことが大切ですね。部門ごとなどで、主体的・自主的に継続していくような空気感が生まれると嬉しいです。

とのコメントがありました。



ゲストトーク②

『会社の方針発表会でカスタマイズした「タニモク」を実施』
株式会社アイデアプラス 荻野豪俊さん

続いて、株式会社アイデアプラス・アカウントディレクターの荻野豪俊さんより、カスタマイズした「タニモク」の活用例をお話しいただきました。

9期方針発表会にて、カスタマイズした「タニモク」をオフラインで開催

◆実施の目的と背景
もともと方針発表会で方針・目標を発表することが決まっており、「タニモク」の「最後は自分で決める」という点が発表会を実施する目的の部分に活かせると考えた
⇒スタッフ間のコミュニケーションを重視した内容にカスタマイズして実施

◆実施のポイント
・今日の気分やマイブームを書いたハッシュタグシールを服に貼る、簡単な例・変な例・型を用意するなど、心理的安全性の下地づくりに努める
・アウトプットやコミュニケーションを大切にしたいことを伝え、ファシリテーターが時間を管理する
・「1カ月後に達成したいこと」を社内報に投稿し、決めた目標を共有する

この活用事例について、登壇者からは

志水さん:Willを言語化するときに心理的安全性はとても大切です。「タニモク」はこの後に提案をするので、相手の話を聴く姿勢がうまれ、それが相手に伝わるところがポイントですね。

井上さん:「タニモク」は可変性やカスタマイズの幅がありますね。自己認識力を高める、ジョブ・クラフティングにも応用できそうです。仕事の意識に対する処方箋として、マニュアルができてくるとおもしろいですね。

※ジョブ・クラフティングとは、社員が個人的に意義の感じられるやり方で、ジョブ・デザインを定義しなおしたり、意味づけしなおしたりすること。社員が仕事に対する意識を「やらされているもの」から「働きがいのあるもの」に変える効果などが期待される。

とのコメントをいただきました。

「タニモク」の自由度の高さを活かしたワークショップを実施していただき、とても嬉しいです!お二方、お話しいただきありがとうございました!

グラレコ③



参加いただいた方の声

1部では上記の他にも、チャット機能を使って参加者からの質問に答えるなど、盛りだくさんの内容となりました。
ここでは、1部に参加いただいた方の感想の一部をご紹介します。

・人事に求められる役割の変化を体系的に学べ、個人のwillを支援するツールとしての「タニモク」をよく理解できた。
・個人のWillに焦点を当てる重要性に立ち返るきっかけとなった。
・「人事=ファシリテーション」という立ち位置を意識する覚悟を持てた。
・主観の感想だけでなく統計的に示されていたのでわかりやすかった。データの優位性などが数字で出ると更によいと感じる。
・活用事例があったので、自社に合わせた「タニモク」を開催する上で、大変参考になった。
・導入のポイントや課題も示されていたので、自社での導入を想起しやすかった。

この他にも、『「タニモク」を実際に試してみたい』『多種多様な活用ができそう』などのご感想をいただき、とても嬉しく思いました。さまざまなシーンで「タニモク」をご活用いただけるよう、今後もイベントやnoteを通じて「タニモク」の魅力や活用事例などをご紹介できたらと思います!



社員がやりたいことを見つけるきっかけ作りとして「タニモク」をご活用ください

1部では、変化に強い組織と個をつくるためには、「やりたいこと(動機・意欲)」を目標につなげて、引き出していくことが重要とのお話をいただきました。

ですが、中にはやりたいことを自分で見つけられない方や、言語化できない方もいます。
そのような場合に人事の方が行えることは、想いや感情を伝える対話の機会をつくったり、表に出てこなかったWillを引き出すファシリテーションを担うことではないでしょうか。

他人と目標をたてあうことで、自分だけでは見えなかった世界が広がる。無意識に抑え込んでいた気持ちに気付く。社員同士がつながり、支え合える仲間ができる。組織の分断が進むコロナ禍だからこそ、「タニモク」です。
組織活性化における課題解決の一つの手段として、個々の社員の「働きがい」知るきっかけとして、ぜひ「タニモク」をご活用ください!

そして、「タニモク」を活用されたご感想やご意見などを「タニモク」事務局まで教えていただけると嬉しいです。


「タニモクフェス」第2部では、
・他人に目標をたててもらうワークショップ「タニモク」
・「タニモク」をアレンジした、自分らしい「働きがい」を見いだす新しいワークショップ
のいずれかを実際に体験していただきました。そちらの様子もあわせてご覧いただけると嬉しいです。


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