【活用事例】多様な掛け算で、新たな価値を創造したい。『コワーキングオフィス×「タニモク」』
こんにちは!「タニモク」編集部です。
noteでは、「タニモク」をさまざまなシーンでご活用いただくために、「タニモク」を実施した団体へのインタビュー内容をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、コワーキングオフィス「BIRTH LAB」での活用事例です。代表取締役の髙木秀邦さんとディレクターの鈴木修さん、当日ファシリテーターを務めた「タニモク」プロジェクトリーダーの三石原士さんに、「タニモク」実施の経緯や得られた成果を伺いました。
実施企業と参加者
「BIRTH LAB」とは
BIRTHとは、株式会社髙木ビルが2017年から始動させた、コワーキングオフィス「BIRTH」を代表とした事業、プロジェクトの総称です。
代表取締役の髙木さんは、オフィスビルの開発や経営を続ける中、東日本大震災による不動産危機と顧客の流出問題に直面。それをきっかけとして、不動産の在り方や価値を見つめ直そうと考えました。そして入居者の方々との話を通して、不動産は「企業が夢や目標を持って成長していく場」だということに気付かされたと言います。
現在はさまざまなプロジェクトを通じて、実現したい事業や人生に向かって挑戦している方々に伴走し、新たな価値を創出することを目指しているそうです。
BIRTHプロジェクトの拠点の1つである「BIRTH LAB」は、個々に作業をするコワーキングオフィスとしてだけでなく、ブレストや意見交換、プロジェクト進行のための議論など、コミュニケーションを創造する場として活用されています。
「タニモク」実施のきっかけ
ー初めに、今回「タニモク」を実施することになった経緯を教えてください。
鈴木さん:前職で一度「タニモク」を経験し、チームビルディングにとても有効だと感じていたことが理由です。社内のチームビルディングでの活用はもちろんのこと、BIRTHという新たな価値を創造する場として、スタッフや入居していただいている企業の方々、さらには外部の方々というように、さまざまな方が交流する機会をつくることで、新しい・楽しい何かが生まれるのではないかと期待しました。
そこで、私が担当している「BIRTH ACADEMIA(※)」事業の一環として実施したいと、弊社代表の髙木に打診しました。過去の経験から「タニモク」の効果や有効性は実感していたので、『BIRTH ACADEMIAやBIRTH全体、髙木ビルに関係する入居者さまのために一番よい選択肢は間違いなく「タニモク」です!』『大丈夫です!』と自信を持って伝えることができました。
※BIRTHプロジェクトの一つで、"BIRTHで生まれる学びと刺激を通じて、成長を一緒にワクワクする"をビジョンに、成長伴走やコンテンツを発信中。
髙木さん:今年度社員数が倍増したこともあり、まずはチームとしてコミュニケーションや相互理解を深めたいとずっと思っていたんです。一方で、BIRTHには新しい入居者さまもたくさん集まっていただいている状況でしたし、これまでの経験から、想いを語ったりコミュニケーションをとったりすることで、新しいビジネスの種やプロジェクト、社会価値が生まれることもわかっていました。
私たちはBIRTHに集まるオーナーシップを持った方々に自己表現ができる場を提供したいですし、「空間」「場づくり」の価値を最大限高めたいという想いでBIRTHを運営しています。その折に鈴木が「タニモク」を提案してくれたので、社内だけでなく外部からも参加者を募って、ワクワクする機会をつくりたいと考えました。
ー髙木さんは、鈴木さんから「タニモク」を実施したいと提案された際、率直にどう思いましたか?
髙木さん:最初は掛け算の前と後ろがわからない状態だったので、正直「大丈夫なの?」と思いました。けれど、やめようというネガティブな感情はなかったですね。詳細や流れを聞いて、「掛け合わせた結果はどうなるんだろう」「おもしろそう」という印象に変わっていきました。
それから、「タニモク」を実施する前に、私からBIRTHに関わるメンバーに向けて、BIRTHへの想いや今後のビジョンをプレゼンする「ビジョンシェアリングデイ」を実施していたことも大きかったです。それを受けた後の「タニモク」で、メンバーが自分達の目標にどう組み込んでくれるのか。「個としての自分」と「チームとしての自分」を合わせた目標を考えるよい機会になりそう、という期待感がありました。
「タニモク」に期待したこと
ー改めて、今回の「タニモク」に期待したことを教えてください。
鈴木さん:実施後のイメージがあった立場からすると、社内のメンバー同士や入居者さまがもっと相互理解できる場を作ることが課題だと思っていました。
BIRTHとして入居者さまのお手伝いをしたり、入居しているビルや別のビルの入居者さま同士をマッチングしたりするには、例えば「こんなサービスを打ち出します」「いま順調です/不調です」「こんなことに困っています」というように、入居者さまのリアルな状況を把握している必要があります。しかし、会社としてビル内のスペースをお貸ししている、入居いただいているだけでは、なかなかコミュニケーションをとる機会がありません。
だからこそ今回の「タニモク」のような場を通してリアルな状況を聞ける機会をつくり、もう一段踏み込んだ深いコミュニケーションができるとよいと思いました。
ー「相互理解ができている」「深いコミュニケーションがとれている状態」とは?
髙木さん:より「個」の部分を感じ合えるのが大切なのかなと思います。それぞれが持っている目標や夢、大義を語り合う機会はありますが、それらの元になっている個の感情や心の温度感、琴線の場所を知り合う機会は少ない気がするんです。
「ゴールが合っているからコミュニケーションがとれている」のではなく、むしろスタートとなるその人の原理原則、心の発信地を大枠でも理解できていることが、相互理解のベースになるのかなと思います。
実施内容
ー当日の内容を詳しく教えてください。
鈴木さん:オフライン開催だったので、BIRTH LABの1階フロアと2階のラウンジ、さらに半地下のキッチン部分を使用して実施しました。進行は三石さんにお任せし、私もワークショップに参加させていただきました。
参加者の属性は、人事の方や起業された方、HR業界の方や学生さんなど、さまざまです。約半数が外部からの参加者ということもあり、グループを作成する際には、必ず初対面の方が一緒になるように工夫しました。
ー三石さんは、ファシリテーターとしてどのようなことを心掛けていましたか?
三石さん:BIRTH LABさんは、環境や場の雰囲気が素敵で、静かすぎず騒がしすぎず、皆さん適度な温度感と距離感だったように感じます。
ファシリテーターとしては、事前に鈴木さんから伺っていた目的も踏まえて、オープンな場を意識しました。また、ワークショップの各セクションは「時間が足りない」「もっと話したい」と思うような状況で終わることでその後のつながりや振り返りの機会づくりにつながりますので、全体の様子を見ながら適宜時間を調整しています。メリハリがある分、円滑にお話が進んでいたように思いますし、ワークショップ後の懇親会も非常に盛り上がり、お話も継続的にできたのでは、と感じています。
参加者の声
「タニモク」を実施した感想
ー「タニモク」中の参加者の雰囲気や表情はいかがでしたか?
髙木さん:オブザーバーとして全チームを拝見していましたが、想像していたよりもスムーズにワークへ入っていた印象です。今回はBIRTHのインターン生も参加していたのですが、キャリアやポジション、立場に関係なく、全員のギアが最初の数分から入っていました。時間はハードなのに表情は和やかで、心理的なハードルが下がっていたように思います。
鈴木さん:ほぼ全員が「タニモク」初体験という状況でしたので、皆さん最初は「研修はインプットが多そうなイメージがあり、難しいのではないかと思っていた」「他人に目標を考えてもらうなんてことが本当に成り立つのか」という印象を持たれていたようです。
いざワークに入ると、皆さんすぐに没頭されていて、「すっとワークに入ることができた」「ストレスなく集中してワークができて楽しかった」というような感想をいただきました。アンケートの結果やコメントを見ても、多くの方に楽しんでいただけたのではないかと感じています。
「タニモク」で得られた効果
ー今回の「タニモク」では、参加者の「原理原則を出す」という目的を達成できましたか?
鈴木さん:達成できたと思います。同じグループには初めてお会いした方も普段関わりのある方もいらっしゃったのですが、原理原則は普段話をしている方にも初めてお話ししたんです。そこで「意外とこういう人なんですね」「普段こういうこと思っているんですね」というようなリアクションをいただいて、自分としても「このような反応になるのか」と驚きました。
外見的・表面的に見えているものだけでは内面的なものを把握できないので、「意外と」というセリフが出たのは原理原則を出せた証拠なのでは、と感じています。
髙木さん:全体を見ていてよかったと思ったのは、発表していることや話している内容にその方の根本的な考え方や原始的な想いが入っていて、それも語り合う場になっていたことです。源泉となる部分が分かり合えるとその人のゴールへの理解が深まる、ということがよくわかりました。
担当者コメント
ー今後「タニモク」をどのように活用したいとお考えですか?
鈴木さん:今回の参加者の方々の熱量を伝えて新たな参加者も巻き込みつつ、今後も開催していきたいと考えています。
それから、BIRTH LABは仙台を中心にシェアオフィス・コワーキングスペースを展開する「enspace」さまと業務提携をしているので、そちらの利用者さまとBIRTH LABの入居者さま同士の掛け算もしてみたいと思いました。そこから協業やメンバー同士が応援し合えるようなことが生まれてきたら嬉しいですね。
髙木さん:私たちは「○○社×髙木ビル」「○○市×髙木ビル」というようにプロジェクトを共同で行うことも多いので、協業をする企業と「タニモク」をやるとよさそうです。「企業同士を理解すること」は「チームの個々人を理解すること」に他ならないですし、それぞれの形を組み合わせてそれがピタッとはまると、より一体感が出ると思います。
特に地方公共団体と連携する場合、最初は市長と私が夢や大義を語り合ってから現場に作業を下ろしてくることも多いんです。そうすると、誰と誰が、どこに、どのようにはまるのかがわかりづらいこともあります。それぞれのメンバーの強みを組み合わせてより強力なタッグにするには、「タニモク」が一番の近道なのではと感じるので、今度協業する自治体とまずはやってみたいという話を鈴木としているところです。
あとは、飲み会の場で「タニモク」をしたら、絶対盛り上がると思うんです。それくらい気軽に「タニモク」をやれる世界がおもしろそうですし、そのようなコミュニケーションやコミュニティづくりに未来と可能性があると思っています。
「タニモク」編集部より
髙木さん、鈴木さん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。個々の原理原則に触れることで一段深いコミュニケーションが実現でき、成長を生み出すエネルギーにつながることがよくわかるお話でした。
「タニモク」が入居者の方々やメンバーの皆さんの成長の一歩や、新たな可能性の種のきっかけになれば嬉しいです。
今回のイベントの様子は、鈴木さんがBIRTHのnoteでもまとめてくださっていますので、そちらもぜひご覧ください。
今回お話しいただいたように、「タニモク」はコワーキングスペース/コワーキングオフィス利用者の方同士の関係性を深めるきっかけとしてだけでなく、企業のチームビルディングにも活用できます。強制感がない点もポイントですので、関係性構築や研修でコミュニケーションの仕掛けづくりに悩んでいる方は、一度「タニモク」を実施してみてはいかがでしょうか。