フラットな場をつくろう。積極的な発言を生むコツ
こんにちは!「タニモク」編集部です。
人事やチームのリーダーをされている方から「どのようにしたら自発的な行動が生まれますか」「会議で活発にアイデアが出されるためにはどのような工夫をしたらよいですか」とご相談受けることがあります。
マネジメントをされる方としては、社員の積極的な発言や能動的な行動が増えてくれると嬉しいですよね。
今回は、伝説の教師「クマG」が行った場を活性化する方法を例にしながら、会議などで積極的に発言が生まれるコツをご紹介します。
伝説の教師「クマG」から学ぶ、場の活性方法
どうしたら、自発的な行動や前向きな意識を生み出す・引き出すことができるのか。
その答えの例として、Creative Project Base 代表取締役 / アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長である、倉成英俊さんのコラム『「なぜ生徒たちがあんなに手を挙げるか教えましょうか?」伝説の教師クマGの教え』をご紹介します。
このコラムは、「教えること」のプロである教師のメソッドをビジネスパーソンが学ぶというコンテンツの内の1つです。
以前は電通のクリエイティブディレクターされていた倉成さんが、「ビジネスパーソンのところに教師が学びにくることはよくあること。けれど、人材育成や組織のマネジメントのプロは教師なのだから、ビジネスパーソンが教師に学ぶ機会があってもいい」と考えてつくられたものだそう。
その中で、伝説的な教師「クマG」こと、大熊雅士先生(現在は小金井市の教育長)のエピソードを紹介しています。
大熊先生のクラスが、電通の提供する、学校でCMづくりが学べる教育パッケージ「広告小学校」を行ったときのこと。
授業の概要は次の通りです。
倉成さんがこの活動で強く印象に残ったことは、生徒が「ハイ!」「ハイ!」「ハイ!」とたくさん手を挙げていたことだそうです。
そして、「活気のあるクラスだな」「先生の質問の仕方がうまいな」と思っているところに、大熊先生から「なぜうちのクラスの生徒たちがあんなに手を挙げたか、秘密を教えましょうか?」との問いかけが。
あなたは、どんな秘密があると思いましたか?
少し考えてみてください。
さて、その答えは、、、、、
「評価をしないこと」だと、大熊先生は言います。
生徒の発言に対して、先生が「いいね」と言えばみんながそちらの意見に引っ張られてしまい、「うーん」と言ったり顔をしかめたりすれば、そちら側の意見が出てこなくなってしまうとのこと。
だから、いいとも悪いとも言わず、フラットな立場でただ発言を板書していくのだそうです。
答えを言わない。評価をしない。そうすると、みんなの意見が出る。
これが、生徒の積極的な姿勢を生む秘訣でした。
「評価をしないこと」から始めてみよう
さまざまな発言がされ、意見が飛び交い、場が活性化するーー
大熊先生のクラスのような雰囲気は、まさにマネジメントをする立場にある方が求めている場の状態に似ていますよね。
同時に、少し考えてみてください。
会議の中で「こんなのどうかな」との意見が出たあとに、「それいいね」「いや、それは」とすぐに評価をつけてしまっている、ということはないでしょうか?
考えやアイデアを出し合う場では、まだそれが正解か不正解ということもわからないので、良し悪しの評価や合否は必要ありません。
マネジメントをする立場としては、効率や予算、課題点などを考えてつい評価をしてしまいがちですが、一方で、評価を怖がって発言しづらいという状況が生まれてしまう面も認識しておく必要があります。
実は、「タニモク」にも全く同じことが言えます。
「タニモク」は利害関係のない方同士が行うもの。そして、ファシリテーターが「役に立つ目標を考えてください」「いいアイデアを出してください」と言うことは一切ありません。
まさにクマGの教えのごとく、「評価をしないこと」をベースにワークショップが組みたてられています。
「タニモク」では主人公(目標をたててもらう人)の状況説明や質疑応答を通して、主人公以外のメンバーが「私が○○さんだったら」という言葉を冒頭につけて目標を提案します。そこには正解も不正解もなく、ただ「自分がそう思ったから伝えた」というだけ。多くの選択肢がある中で、最終的に主人公がそれを取捨選択していきます。
「出されたアイデアを踏まえて、私はこういう目標を決めた」という流れになるので、「役に立つかどうか」を考えるのではなく、みんなが自分の考えを素直に、積極的に伝えられる場になっているんです。
手を挙げて自分の意見を言うことを躊躇してしまう方は、「周りの人にどう思われるのかな」「この場でこんなことを発言していいのかな」と不安に感じてしまうことが多いのではないかと思います。
評価しないという前提をつくることで、発言がしやすくなる状況、場の雰囲気をつくることが大切です。
みなさんの中で普段から「積極的に手を挙げてもらいたい」「主体的な行動をとってもらいたい」という思うことがあれば、まずは、「すぐに評価しない」ということを心がけてみてはいかがでしょうか。