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「タニモク」で今の状況を絵で表す意味。3つのメリットとは


こんにちは!「タニモク」編集部です。

利害関係のない他人同士でお互いの目標をたてあう「タニモク」のワークショップは、今の状況を絵に起こすことから始まります。参加者の皆さんとお話する中で、「なんで絵を使うんですか?文字ではだめなんですか?」という質問を受けることがあります。

絵を用いているのには、「タニモク」を有意義にするための理由があるからなんです。今回は、【「タニモク」で絵を描くことの意味】についてお話します。

「タニモク」では今の状況を絵に描くことから始まる

「タニモク」は、利害関係のない他人同士が3~4人のグループを組み、目標をたてあいながら、自分の活かし方を見つけるワークショップです。他人からアイデアをもらうことで視野が広がり、自分では気づかなかった選択肢やユーモアな切り口を得られることが特徴です。

「タニモク」では絵をどのように使っているのか…ということを知らない方もいらっしゃるかもしれないので、簡単な手順をご説明します。

1.紙とサインペンを用意し、自分の「いまの状況」を絵に描く。
2.グループの中の1人が主人公(目標をたててもらう人)となり、描いた絵を他のメンバーに見せながら、自分の現状を説明。
3.他のメンバーは、主人公の目標をたてるために知りたいこと、興味があることについて質問する。
4.他のメンバーは、主人公の話を聞いた上で「自分がその人だったら」という視点で目標を提案する。
・1~4の流れを1人あたり約30分で実施し、グループの人数分このセッションを繰り返す。
5.4.で他のメンバーから提案してもらった目標を参考にしながら、一人ひとりが自分自身の目標をたてる。

このように、グループワークを始める前に「自分の状況を絵に描く」という作業を最初に行います。自分が描いた絵は、他のメンバーに今の状況を説明するための材料になります。



自分の状況を絵に表すことのメリットは3つ

「タニモク」では自分の状況を説明するために、なぜ文字ではなく絵を使っているのでしょうか?絵を描くことで、以下のメリットが得られます。

・質問がしやすくなる
・権威を持ち出しにくくなる
・潜在的な意識を表現できる


・質問をしやすくなる
自分の状況を絵に表すことで、「タニモク」中に他のメンバーが質問しやすい環境を作ることができます。

「今のあなたの状況を絵に起こしてください」とお願いすると、白い紙の中に表情のある顔が描かれたり、絵と絵の関係を矢印でつないだり、少しだけ文字が入っていたりと、それぞれに工夫されたオリジナルの絵が生まれてくるんです。そうすると「この◯◯さん顔の表情はよくないですが、どんな気持ちだったんですか?」「この矢印は、何を表しているんですか?」などと、質問がしやすくなります。「タニモク」では利害関係のない初めて会う方同士が目標をたてあうことが多いので、積極的に質問しあえる場をつくることが大切です。

一方で、今の状況を文字だけで説明する場合は、自分が書いた文章だけが目標をたてる材料になります。文字だけでも他のメンバーに状況を伝えることはできます。しかし、絵を用いれば、主人公がどういった環境にいて、今どのような気持ちなのか…といった主人公が置かれた全体像や感情も伝えることができ、他のメンバーが主人公の状況をより理解しやすくなるんです。


・権威を持ち出しにくくなる
例えば、年配の方や著名人、大学の先生といった方々に、内容を鋭く指摘しながら質問するというのが難しく感じてしまうことはありませんか?しっかりと筋道をたててきっちりと説明をされると、隙がなく質問しにくくなってしまうことも。

しかし、年配の方や著名人であっても、ゆるくかわいらしい絵を描いていたとしたらどうでしょう。なんとなく「この部分は、何を表しているんですか?」と気軽に質問しやすくなるでしょう。

絵を介さずに言葉のみで伝えると、「筋道を立てて確実に説明する」というインテリ的な部分が出てきてしまうこともありますが、絵を使うことでそういった権威を持ち出しにくくなるんです。


・潜在的な意識を表現できる
手と指と脳は、非常に密接な関係があります。
「タニモク」で絵で描くときは、「この時間までに今の状況を起こしてください」とお伝えするので、参加者の皆さんは、決められた時間内で一生懸命絵を描かれています。

短い時間で絵を仕上げると、手が勝手に動いて「なんで私はこの絵を描いたのだろう」という意味がわからない形のものが出てくることがあります。その「何を表しているのかよくわからない絵」に対して、周りの人が「これは何ですか?」と質問すると、自分の中でわからないながらも「なんとなくこういうことかもしれない…」と、自分の中で考えて意味づけをするという行動が出てきます。

この「意味づけをする」という行動に対して、実は自分の脳の中で考えていた潜在的な考えとか、意識みたいなものが出てくることがあると言われています。手を使って何かを形にし、そこにあえて意味づけをしてみることによって、普段の自分では思ってもみなかった潜在意識が表に出てくるという効果があるんです。



「タニモク」で絵を描いて、充実した時間を過ごそう

いかがでしたか?
「質問がしやすくなる・権威を持ち出しにくくなる・潜在的な意識を表現できる」というメリットがあることで、他のメンバーが短時間で主人公の状況を理解し、目標をたてることができるんです。

皆さんの中には絵を描くのが得意ではないという方もいるかもしれませんが、上手い下手を気にせず、ぜひ一生懸命描いてみてください。そうすることで、必ず「タニモク」がよりユニークな役目を果たしてくれます。

「タニモク」は、利害関係のない3〜4人が集まれば、気軽に数時間で行うことができるワークショップ。メンバーさえ集まれば、あとは場所と紙・ペンを用意するだけで始められます。

「現状に対するモヤモヤとした気持ちを整理して、前へ進みたい」「他人の視点を借りて、ワクワクする目標を見つけたい」という方のために、「タニモク」がお役に立てたら嬉しいです。

詳しいマニュアルや活用事例は、ぜひ公式サイトをご覧ください。