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【イベントレポート】『「タニモク」流の振り返り』をテーマに「タニモク」ファンミーティングを開催しました

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
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こんにちは!「タニモク」編集部です。
2022年9月14日、『「タニモク」流の振り返り』をテーマに、第4回「タニモク」ファンミーティングを開催しました。
この記事では、イベントの内容や参加したみなさんの様子をお伝えします。


「タニモク」ファンミーティングとは

「タニモク」は、「みつけてもらおう、自分の活かし方。」をコアメッセージに掲げ、目標や行動を他人に考えてもらうことによって、自分の視野をひろげたり、新たな可能性に気づいたりすることができるワークショップです。2018年9月に立ち上げてから、社内教育に限らずプライベートの場など、さまざまなコミュニティで取り入れていただいています。

活用の場がひろがるにつれ、ファンの方から「交流の場」を求める声があがるようになってきたことから、ファンのための交流イベントとして『「タニモク」ファンミーティング』が生まれました。ファンミーティングでは「タニモク」の主催者や参加者が集まり、お互いのナレッジをシェアしあい交流する機会として、半年に1度開催しており、今回で4回目となりました。

・日時:2022年9月14日(水)19:00~21:00
・開催方法:Web会議サービス「Zoom」を利用してのオンライン開催
・参加人数:6名
・参加費:無料
・対象:「タニモク」が好きで、開催に興味がある方/開催したことがある方/「タニモク」をよりよく活用する方法に興味がある方

今回のファンミーティングでは、「タニモク」の半年を振り返った後、3人〜4人1組で振り返る新プログラム『「タニモク」流の振り返りワーク』を体験し、感想を共有してもらいました。司会は「タニモク」プロジェクトリーダーの三石原士が務めました。


「タニモク」2022年4月~9月のトピックス

企業・団体×「タニモク」

2022年4月~9月の期間、新たな企業や団体とのコラボレーションが進みました。例として、NTTドコモの新規事業「はたらく部」へのコンテンツ提供があげられます。自己理解のワークショップとしてサマーキャンプのプログラムの1つとして実施されました。また、日本財団など、アスリート向けのキャリア教育支援にも採用されました。オリンピアンやメダリスト、プロサッカー選手、プロ野球選手など、あらゆる種目の現役選手や引退された選手、累計で100名を超えるアスリートの方に活用していただいています。活用事例としては、コワーキングスペースシェアオフィスでの導入事例が増えています。「タニモク」を活用することで生まれる輪をさらにひろげていきたいため、今後も企業コラボは続けていきます。


受賞報告やナレッジ共有

2022年5月、パーソルキャリア株式会社内での「タニモク」を活用した目標支援コミュニティ「モクサポ」の活動が「心理的安全性AWARD2022」のSILVER RING賞を受賞した報告も行われました。社員のメンタリング・ネットワークが心理的安全性を高めるだけでなく、パフォーマンスも向上したという点で専門家の方からも評価していただきました。

企業や団体の活用事例、受賞報告などはnoteでも発信しています。noteではワークショップのTIPSや目標達成のヒントなど「タニモク」ならではのコラムやイベント情報も発信しており、記事数は120本を超えました。今後も「タニモク」事務局に集まったナレッジを共有していきます。

こうして半年を振り返ると、「タニモク」は今まで以上に大きなひろがりを見せています。司会の三石からは、『「タニモク」を活用いただいているファンのみなさまがあってこそ、このひろがりが実現しています』と感謝の言葉が伝えられました。


【ワークショップ】今回のテーマは「振り返り」

「タニモク」流の振り返りとは

「タニモク」は、他人と目標をたてあうワークショップです。一方で、目標をたて、行動しただけでは不十分であり、「振り返り」が大事です。ただ、テーマとして取り扱っていなかったので、今回は『「タニモク」流の振り返り』をワークショップとして行うことにしました。

ワークショップを始める前、参加者に「振り返り」のイメージを伺うと次のような声があがりました。

「タニモク」ファンミーティング参加者による「振り返り」のイメージ
・目標設定の時にするもの
・目標の振り返り
・次の成功のためにヒントをもらう
・上位者にいろいろと突っ込まれて、そもそも何だったっけ?と迷路に誘われること
・課題設定のチェック
・実行したことの評価と検証

振り返りというと、反省、内省、気づきと学びなど、いろいろなイメージがあります。振り返りとは、客観的に自分を振り返り、学びや気づきを得ることと言えるのではないでしょうか。振り返りの中でも、出来事や結果などを指す「ソト」自分の感情や気持ちを指す「ウチ」があります。「感情」とは、ものごとに感じて起こる気持ちです。例えば、この仕事でワクワクできた、モヤモヤとして気持ちが曇ったといった喜怒哀楽、好き嫌いです。

振り返りの観点で普段の業務や仕事の現場をみてみると、左の「ソト(出来事)」を振り返ることが多いのではないでしょうか。計画と行動、結果を振り返り、よりよい結果を出せるよう行動を改善する、成功するためのヒントを探すというものです。一方で、「ウチ(感情)の振り返りはできていますか?例えば、「ここにワクワクした」「あの時に気持ちが落ちた」など、感情を振り返ることは、実はあまりされていないのではないでしょうか。

今回、なぜ「感情」まで振り返ることをポイントにしているのかというと、「感情が思考や行動に影響を与える」からです。「人は感情で動く生き物」とよく言われます。下の図をご覧いただけるとわかるかと思いますが、出来事は、行動や考えの結果です。その行動や考えの裏にはその人の感情があります。だから、感情を振り返ると、考え、行動に至った理由や背景が見え、動機もわかりやすくなります。

普段の「タニモク」は出来事にフォーカスをしていますが、今回の振り返りのポイントは、行動、思考だけではなく、「感情」まで振り返ることにしました。

感情まで振り返るといってもピンと来ない方もいるのでは…ということで、三石の体験談が紹介されました。

【三石エピソード】
2018年「タニモク」β版ができた時、「タニモク」をやっていて、私自身が他人から言われたことがあるんです。それは、『(当時担当していた)マーケティングの話をしている時よりも、「タニモク」の話をしている時がとても楽しそうですね』。とてもインパクトがありました。
そして、その方がたてた目標が『「タニモク」を軸にしながらファシリテーターのことをもっと学ぶ』だったんです。この言葉が自分の中でストンと腹落ちし、確かに数字を追いかけるよりも目の前の方の変化に関わる方が好きだなと思いました。そこから資格取得などをして技術を磨き、これがプロの「ファシリテーター」へと進む大きなきっかけになりました。

今回は、この「感情を振り返る」という経験を行うことがどんな感覚なのか、実際にワークで体験しました。

「振り返り」ワークショップの進め方

グループワークに入る前に、通常の「タニモク」同様、テーマに基づいた絵を描くことからスタートしました。

実際のグループワークの流れは以下の通りです。今回は、3人1組の2グループのワークが行われました。

【一人ひとりの時間の進め方(約20分)】
1)主人公が「感情が動いた出来事」を簡単に説明する(2分)
2)主人公が質疑応答を受ける(6分)
3)他の人が主人公の「感情」を考え、行動をまとめる(3分)
4)他の人が主人公に対してプレゼンテーションする(2人で8分)

ワークを進めるにあたってのポイントはまとめ方です。いつもの「タニモク」は、目標と行動をまとめますが、今回の振り返りでは、出来事(ソト)だけでなく、主人公の感情(ウチ)にもフォーカスを当てます。

まとめる際、下の図のように「③私だったら、次なる行動」を考えるために、「①思考(考え)」「②感情(気持ち)」について、単語やキーワードをハッシュタグのような感覚で書き留めていきます。この振り返りを初めて実施する際は、思考と感情の切り分けは難しいかもしれないですが、回数を重ねて振り返りをしていくと、思考と感情の切り分けができるようになっていきます。そして「③私だったら、次なる行動」の枠には、自分が主人公のそのシーンだったら、どういう行動するかを、おせっかいに書くという流れです。

【質問の投げかけTIPS】
・その時に、どんな気持ちになりましたか?
・なぜ、そう考えたり、判断するのだと思いますか?
・どうなれば、うれしい気持ちになりますか?

話し手の言葉だけではなく、話し手の表情、しぐさからも、
・主人公の「思考(考え)」
・主人公の「感情(気持ち)」
を受け取ったり、感じてみましょう。

実際のグループワークの様子の一部を紹介します。

グループ1
(主人公Aさん/1度退職し、同じ会社の以前とは違う事業部に復職)

Aさん:以前在籍していた時から、部署間で壁があったんです。でも復職して、自分が思うことを正直に伝えていたら、全体の風通しが良くなったんです。周りの方に「スルスル仕事が動く」と言われ、嬉しかったです。

Bさん:そういう状況って、率直に言って面倒な気持ちはありますか?

Aさん:ちょっとはありますね。でも、その先にもっと良い世界が描けた時は、あえてでも言います。

Cさん:Aさんにとって、“その先”がポイントかな。

Aさん:その場だけを考え、その場の相手を尊重して言えないと思うんです。もっと先をみたいなって。共通の目線を持つと、言いにくいことも言える、と気づきました。

グループ2
(主人公Dさん/大企業にいた50歳の親友が転職したと聞いた時)

Dさん:自分は転職で大変な思いをしたので、できればもう転職はしたくないと思っています。そんな時、安定した仕事に就いている親友が条件よりも挑戦を選択して転職したと聞き、衝撃を受けたんです。

Eさん:衝撃を具体的に言うと?

Dさん:「勇気があるな」と思ったんですよね。転職先の待遇がいいわけでもなく、年齢や体力面も考えたらすごい。

Fさん:もしも、リスクがなくて転職経験の大変さもなかったら、Dさんは転職したいの?

Dさん:したいですね!環境を変えることは学びが多いし、やりたいことも決まっています。

Eさん:自分にはできないと思っていることを行動に移した友人に、Dさんは「いいな」と憧れているように見えました。

参加者のみなさんは、【質問の投げかけTIPS】を参考にしながら、さまざまな角度から主人公の感情を深掘りしました。主人公自身も、質問を受けることで、自分の内面に改めて気づくこともあったようです。三石からは、「相手の言葉、表情から自分が感じ取った相手の思考、感情を素直に書いてフィードバックした方が相手の学びになります。正解、不正解があるものではないので、感じ取ったものを言語化してみましょう」とのアドバイスがありました。

主人公に対して「私から見て○○さんの…」と発表している際は、それぞれの方が手元の紙に書いたものをPC上の画面に映すと、主人公が画面を撮影してギフトを受け取る様子が見られました。「③私だったら、次なる行動」についても、主人公が「今まで、そういう方法・道があることにまったく気づきませんでした!」と盛り上がる場面もありました。参加者は、今まであまり触れたことのない感情(ウチ)を意識することで、新しい発見があったようです。

ワークショップの最後に、参加者一人ひとりが自分自身の「①思考(考え)、②感情(気持ち)、③私だったら、次なる行動」を3分間でまとめました。


「振り返り」ワークショップのまとめ

職場での1on1や面談など、普段行っている振り返りでは、出来事を中心に行動と結果を振り返ることが多いかと思いますが、『「タニモク」流の振り返り』では、出来事に至るまでの行動や思考、特に感情までを振り返りました。思考と行動に影響を与える感情まで振り返ることで、他者視点による、気づき、次なる行動のヒントを得られたり、より前向きな気持ちになったり、自分の中でその感情がストンと納得できたのではないでしょうか。実は、パーソルキャリア株式会社内のダイバーシティの取り組みでも「感情を振り返る」ことを加えたところ、「前向きな気持ちになった」「ここまで気づきが得られるとは思ってもいなかった」という声があがっています。

感情までの振り返りは、繰り返し行うとより効果があります。繰り返していると自分の軸が見えてくるのです。例えば、毎月など定期的な開催がおすすめです。今回、1人20分でワークを行いましたが、3人1組で行えば60分、つまりランチタイムや休憩時間でできるので、取り組みやすいのではないでしょうか。ぜひ繰り返し感情まで振り返り、「タニモク」での目標設定の質も上げていってほしいと思います。


参加者の声

ワークショップを終え、参加者からは以下の感想をいただきました。

・感情を主人公にしたこと。論理は平行線になることもあるけれど、感情は必ず融合すると感じました。
・Will、Can、Must の中でWillを気づかせるのに非常に有効。改めて自分はこういう人間なんだな、と気づけました。
・感情を振り返ることで、そこに紐づいていた出来事を振り返れました。
・いつもの「タニモク」よりライトテイストで取り組みやすいです。
・「やるべきこと」ではなく「やりたいこと」にフォーカスできる気がしました。
 ・みなさんの視点を借りることで、自分が気づいていない感情にも気づけました。

ワークショップ終了後の懇親会では、今回の『「タニモク」流の振り返り』を主催してみたいとの声もいただきました。ぜひ振り返りを継続し、新たな発見や価値観に触れ、歩みを進めてもらえたら嬉しいです。


「タニモク」を活用し、感想をシェアしてください

新しいワークショップを取り入れた今回の「タニモク」ファンミーティングでは、ソト(出来事)だけでなく、ウチ(感情)の振り返りを行いました。参加者にとってこれまでの「タニモク」にはない新しい発見があったようです。

noteでは、これからも企業や団体、学校での活用事例やナレッジの共有を公開していきますので、参考にしてみてください。また「タニモク」を実施した方はSNSに感想やレポートを掲載して、たくさんの方にシェアをしてくださいね。

「タニモク」の実例の取材を希望する方や、参加や開催に興味がある方は、公式ホームページから「タニモク」事務局にご連絡ください。

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