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現状をよくしたいときは?コントロールできることに目を向けよう

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
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こんにちは!「タニモク」編集部です。
「現状をよりよくしたいけれど、なぜ思うように変えられないんだろう」と悩むことはありませんか?在りたい姿に近づくためには、どのような部分に目を向けて行動するとよいのでしょうか…。

今回は、現状を変えたいときに陥りやすいパターンと状況をよりよくするための行動についてご紹介します。

なぜ思うように現状を変えられないのか?

私たちの行っているワークショップ「タニモク」に来られた方に参加動機を伺ってみると、「今の状況にモヤモヤしている」「現状をよい方向へ変えたい」という悩みをもって参加される方がとても多いように感じます。

現状をよい方向へ変えるためには、まずどこに目を向けるとよいのでしょうか。
「タニモク」編集部は、「自分がコントロールできることに目を向けて、行動する」ことが大切だと考えます。

なぜなら、取り巻く環境には自分自身がどんなに努力をしてもコントロールできないことがあるからです。では、自分のコントロールできる範囲に目を向けて行動するとは具体的にどのようなことなのでしょうか?今回は、ラグビーの日本代表の話を例にあげてお話していきます。



ラグビーの日本代表が掲げた目的「憧れの存在になる」

2015年のワールドカップで、強豪国南アフリカに勝利したことで注目を集めたラグビーの日本代表。それまでラグビーについてあまり詳しくなかったけれども、2015年の勝利をきっかけに引き込まれ、ファンになったという方も多いかもしれません。

ワールドカップの成績が飛び抜けて高い南アフリカに勝利するという輝かしい結果を残すまでに、日本代表の皆さんはどのようなことに取り組んでこられたのでしょうか。

2012年当時、ラグビーの日本代表はあまり注目されていない存在でした。日本のラグビーファンに「記憶に残っている試合は?」と質問すると「明治大学と早稲田大学の対抗戦」という返事が返ってくる状態。大学ラグビーのファンは多くても、社会人ラグビーには興味をもつ人が少ない…という状況でした。

ラグビーの日本代表も、それまで24年間勝っていないという厳しい成績。選手自身も日本代表に選ばれたことへの誇りをもつわけでもなく、モチベーションが低くなっていたそうです。

2012年、当時のエディー・ジョーンズ監督より日本代表主将に任命された廣瀬俊朗さんは、キャプテンを務める前から「日本代表というのは、本来ラグビーファンにとっての憧れのチームであるはずだ。今の状況を変え、勝てるチームを作りたい」という想いを抱えていたそうです。

そんな中チームをまとめる存在となった廣瀬さんは、現状を変えるために次のようなステップを踏んでいきました。

1.選手同士の関係作り
● 挨拶+下の名前を使ったニックネームで呼びあう
● ボーリング大会開催
● 国家斉唱の練習
● チームソングを作る
→ 選手の心理的安全性が高まり、チームへの愛着心に繋がった

2.チームで目的設定
勝ち負けは自分たちではコントロールすることができない。だから、全員で「何のために勝つのか」を考えた。「憧れの存在になるために勝つ」
→ 子どもたちやファンにとって「憧れの存在になる」というチームの目的を掲げる

3.「憧れの存在」になるために。自分たちができることから行動
● ロッカールームを掃除し、常に清潔に保つ
● 負けていようと恥ずかしい試合はしない
● 記憶に残る試合をしたいという意識を持つ
→ チームで「憧れの存在だったらどういう行動をとるか」という意識を持ち、全ての行動に反映させていった

● 選手自身が「憧れの存在」をイメージ・実感できる居場所作り
→ 東日本大震災被災地の子どもたちを招待し、ラグビーの試合を行うプロジェクトを他の選手に任せる。選手自身がやりがいを持って取り組むことで、意識の向上につながった

廣瀬さんは「自分たちの行動で変えられるところから入っていこう」と考え、まず選手同士の関係構築から始められました。チームを作るにあたり、大事にしたのは言いたいことを言える関係である「心理的安全性」。

取り組みとして、「挨拶をすること」と「下の名前のニックネームで呼ぶこと」を約束事にしたそうです。親しみを込めた下の名前で呼ぶことで、メンバー同士の距離がぐっと近づき、自分が呼ばれても嬉しい気持ちになりますよね。廣瀬さんはチームメンバー全員に毎日話しかけることも意識されていたそうで、当時のチームへの愛情が感じられます。

他にも、日本代表としてどのように挑むとよいのか戸惑っていた外国人選手と一緒に国家を練習したり、一人ひとりが充実感を得られるような居場所を作ったりと、地道な行動を積み重ねていったそうです。次第に、選手たちはチームに対する愛着心や、日本代表としての誇りをもっていきました。

そして、廣瀬さんはチームがまとまってきたタイミングで、全員で日本代表としての目的設定を行いました。話し合いの結果、勝つためにラグビーをするのではなく、「憧れの存在になるために勝とう」「日本のラグビーを変えるために勝とう」という目的に達します。

それからは、自然と選手の中に「憧れの存在だったら、どういう行動をするのだろう」という意識が生まれていきました。選手一人ひとりが自分には何ができるのかを考え、主体的に憧れの存在へとして行動できるように変わっていったのですね。

2015年の功績は、厳しいトレーニングや勝利への戦術など、当時のエディー・ジョーンズ監督が率いるチームの皆さんで蓄積された努力があっての結果であることは間違いないでしょう。しかし、ラグビーの日本代表チームが勝ち負けのみにこだわらず、まずは自分たちがコントロールできることに目を向け、着実にできることから行動したことが、結果として南アフリカへの勝利や、2019年日本ワールドカップのベスト8進出という「憧れの姿」へとつながったのではないでしょうか。


まず自分がコントロールできる範囲から行動に移してみよう

今回は、ラグビーの日本代表の話を例に、現況の変え方についてお伝えしました。

私たちの日常に置き換えてみると、今置かれている環境や日々変化する情勢など、自分でコントロールできないことも多いですよね。しかし、どんな小さなことでもよいので「どこから変えられるのだろう」と考え、自分ができる範囲から行動に移してみてはいかがでしょうか?

小さな一歩を踏み出してみることで、きっと何かが起こるきっかけにつながるかもしれません。ラグビーの日本代表のように。

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