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【イベントレポート】人事 / D&I / 女性活躍推進担当限定「タニモク」フェスを開催しました ~第1部~

「タニモク」は3~4人1組で目標をたてあうことで、自分の活かし方をみつけるワークショップです。
イベント ▶マニュアル ▶目次 ▶活用事例

こんにちは!「タニモク」編集部です。
2022年1月13日(木)、人事 / D&I / 女性活躍推進担当限定「タニモク」フェスを開催しました。
今回の「タニモク」フェスは、オンラインにて2部構成で実施。noteでは、それぞれの内容や参加者の声を、前後編に分けてご紹介していきます。

前編では、第1部の様子をご覧ください。

イベントの概要

「タニモク」フェスの概要と流れは次の通りです。
司会は、「タニモク」開発者でプロジェクトリーダーの三石原士が務めました。

◆日時:2022年1月13日(木)13:00~16:00
◆開催方法:オンラインにて開催
 第1部 Web会議サービス「Zoom」にて配信
 第2部 Web会議サービス「Zoom」を利用してのオンライン開催
◆対象:
 ・人事、教育、研修、組織開発などに携わっている方
 ・ダイバーシティや女性活躍推進に携わっている方

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今回のテーマは『多様性を、組織の力に変える』

「タニモク」は、利害関係のない3〜4人が1組となって目標をたてあうワークショップ。他人の視点を活用することで、自分の活かし方がわかり、前向きな目標や行動の切り口を得ることができます。


2018年9月のプロジェクト発足以来、多くの企業や学校、コミュニティで活用されている「タニモク」。
プロジェクトを進めていく中で私たちに寄せられる相談の多くに、今回のイベントのテーマでもある【D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)=多様性を受け入れ、尊重すること】があります。
「D&Iに本格的に取り組む部署が新設されたけれど、何から手をつけたらいいかわからない」「いろいろとやってみたけれど、目に見える成果が出ない」と悩まれる企業の担当者が多いです。

近年、「ダイバーシティ」や「女性活躍推進」という言葉を耳にする機会が増えています。
私たちはさまざまな場面で「タニモク」を提供していく中で、それらを推進するためには、【"当事者目線"に立った推進であること】が重要だと感じていました。

そして、もう1つ重要なポイントが、【環境の変化】です。
働き方改革の推進や新型コロナウイルスによるワークスタイルの変化で、これまで自分の能力やキャリアを発揮しにくかった方々が、働くことやその先のビジョンをあきらめなくてもよくなったのです。新しい働き方の選択肢を得ることで、前向きになる方が増えています。

誰もが、自分のはたらき方、生き方を自ら選択し、切り拓いていきたいと思っている。

そのような考えのもと、今回の「タニモク」フェスは『多様性を、組織の力に変える』をテーマに設定。特に「女性活躍推進」にフォーカスしたトークセッションと事例紹介を行いながら、参加者のみなさんとともに課題解決の糸口を探りました。



【トークセッション】『女性が活き活きと働ける会社になるために』

はじめに、企業・自治体のダイバーシティ改革マネジメントや個人への支援活動など、さまざまな場面で女性活躍推進を行われている、猪熊真理子さんにお話しいただきました。

【登壇者のご紹介】
猪熊真理子さん

OMOYA Inc. 代表取締役社長 / 女子未来大学ファウンダー / (一社)at Will Work理事

2014年3月に株式会社OMOYAを設立。主に女性消費を得意とした経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティ・マネジメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。

社会人女性の学びの場「女子未来大学」ファウンダー。多様な価値観の多様な幸せを女性たちが歩めるような未来を目指して、女性のキャリアや心理的な支援活動などを実施。

猪熊さん:日本政府はこれまでにも「202030(2020年までに指導的地位につく女性の割合を30%にするという目標)」や「女性活躍推進法の施行・改正」などを行ってきましたが、2020年の段階で「202030」は非達成、というのが現状です。

目標を掲げるのは大事なことではあるのですが、今日は、ただの数合わせでは意味がなく、本質的な女性活躍推進、ダイバーシティ改革をそれぞれの企業で進めていくことが重要です、というお話をしたいと思います。

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猪熊さん:ここでちょっと毛色を変えて生物界のお話をします。ミジンコは、環境がよいときにはメスしか生みません。しかし、栄養が足りないなど生存危機がある環境下では、オスを生んでメスと交配を始めます。自然界においても、複雑な環境下では同一であることは適さず、多様性によってその環境を乗り越えようとするんです。

人間界でも同じことが言えて、「環境の複雑化」が起きている現在、経営においても、経済においても、多様性で乗り切る必要性があると感じています。

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猪熊さん:多様性を活用する大きな目的は、「新たな価値を生み出す」ことです。「異質な個が力を発揮して新しい価値が生まれる」こともありますし、「多様な個がぶつかりあったときの葛藤や緊張を乗り越えてシナジーや創造性が生まれる」ことで、組織の価値も生まれていきます。

「ダイバーシティ経営」というと、主に「"人材"の多様性を活用していくこと」がイメージされやすいんですが、実は「"働き方"の多様性を推進していくこと」も重要です。

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猪熊さん:私は、ダイバーシティ経営、D&Iでまず最初に取り組みやすいのが、「女性」であると考えています。その際に大切なことは、「なぜ自社で女性の活躍を推進したいのか」という目的を、それぞれの企業が明確に持っておくことです。

「なかなか成果が出ない」という企業は、この目的がぶれていたり抽象的になったりしている可能性があります。
「世間的にやらなければいけないから」「経営から強い要請があったから」という理由だけでは、やはり組織全体として進んでいきません。企業ごとの目的を明確化・言語化し、社内で共通認識を持っていくことが重要です。

一方、ボストンコンサルティンググループの調査によると、「男性が考える女性活躍推進」と「女性が実際に望んでいる施策」とには、ギャップがあるという結果が出ています。

多くの男性シニアマネージャーが考えるのは「目標値の設定や公表」「KPIを設定してPDCAを回す」などの取り組みですが、当事者である女性が望んでいるのは、「時短勤務が可能」であったり「長期の育児休暇」であったりと、"より柔軟な働き方を整えること"なんです。

この「選択肢を持って働ける環境をつくっていく」というのが、女性活躍推進のポイントです。そして、「女性とは」「男性とは」と考えるには、性差を理解する必要があります。

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猪熊さん:例えば強いストレスがかかり心拍数が100を超えるとき、男性は殴りたいと感じたり、その場から逃げたくなる衝動に駆られたりしますが、女性はおしゃべりになったり、泣き出してしまったりします。

よく男性から「女性は泣くから苦手なんだよ」という言葉を聞きますが、"ストレスを感じた際、生物学的にどのような反応が出やすいのか"を知識として理解しておくことで、マネジメントの対処法を変えられます。
異なる他者の理解は信頼関係やコミュニティの構築にも成果があるので、性ホルモンを理解したうえでマネジメントをすることは非常に重要です。

それから、社会的な性差で大きな壁となっているのが、「男性だから」「女性だから」という「無意識のジェンダーバイヤス」(思い込み)です。

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猪熊さん:私たちが普段当たり前だと思っている自分のバイヤスが、思い込みだったり偏りがあったりすると自覚して、性差や異なる他者を理解していかない限り、この問題は解消していきません。

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猪熊さん:もう1つ代表的なのは心理学的性差です。「女性が管理職になりたがらない」という課題を抱えている企業はたくさんあると思うんですが、そこにも性差が関係します。

女性は現実的に評価する傾向があるので、理想や目標を高く感じてしまうんです。そのために、目標を達成できそうという自信を持ちづらい。それに対して、男性は「こうしたい」というポテンシャルで評価するので、行動に移しやすいと言われています。

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猪熊さん:成長欲求についても、「父性」が強く、「昇進したい」「給料を上げたい」という"垂直な成長欲求"を持ちやすいのは男性だと言われています。反対に、「母性」が強いとされる女性は"水平な成長欲求"を持っていて「自分の居場所で花を咲かせたい」「役にたてる場所を拡げたい」と考えることが多いです。

だから、「昇進したら嬉しいだろう」という"垂直な成長欲求"をもとにしたコミュニケーションでは、"水平な成長欲求"のある女性が「管理職になりたい」とはなかなか思えないんですね。

女性活躍推進には、この「母性」が強いというところにヒントがありまして、母性が強い女性に向いているのは、一般的なヒエラルキー型のリーダーではなく、サーバント型のリーダーなんです。

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猪熊さん:両者は、モチベーションの保ち方も、部下とのコミュニケーションの方法も違います。サーバント型のリーダーは、一人ひとりが持っている特性や意思、価値観を理解して、個々の魅力を引き出す、まさに肝っ玉母さんのような存在。こういったリーダーが、企業の中で認められていく・評価されていく風土をつくっていくということも必要だと思います。

先ほど、働き方のダイバーシティの課題は「"働き方"の多様性を推進していくこと」だとお話ししたんですが、働きやすい企業になるためには、「多様な個それぞれの可能性を最大化できる働き方」にパラダイムシフト(大改革)していく必要があります。そのためにこれから特に重要なのが、「自分と異なる他者と相互に人間理解できるか」なんです。人間理解を深めて、活かせる組織や企業が繁栄できる時代になっていると感じています。

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猪熊さん:この、「自分と異なる他者を理解できる力」とは、マネジメントの引き出しを増やすということなんですが、上司だけでは難しい部分もあるので、他者の存在やコミュニティの力が非常に重要です。

例えば、女性活躍推進の中ではよく「ロールモデルがいない」と言われるんですが、現在は「マネジメントだったら●●さんに聞こう」「▼▼さんのこういうスキルがいいって聞いたな」というように、多様なロールモデルからカスタマイズしていく"カスタムキャリア"の時代になっています。

そして、この時の多様なロールモデルというのは、「社外の第三者」でもいいですし、男性でもいいわけです。

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猪熊さん:例えばある女性が「管理職になりたくない」と思うと、「管理職にならないように」という選択ばかりをして、その結果が生まれます。そこに、「管理職でこういう経験をしておくと、将来こういうことをしたいって●●さんが考えていることにつながるよ」という違う視点が入ることで、未来の選択肢ってどんどん変わっていくんですね。

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猪熊さん:冒頭で三石さんから「環境の変化」というお話がありましたが、テレワークが増えて、コミュニケーションがどの組織においても課題になっています。そのような状況下だからこそ、"自分と異なる他者との相互理解"に意図的に取り組むことにはとても意味がありますし、例えば社内の包括的なコミュニティで気付きを得られるような機会は非常に重要です。

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猪熊さん:「多様性を組織の力に変えるためには、お互いをもっと理解する必要がある」というのが、私たちが現場でずっと感じてきたことです。他者によって引き出される自分の中にイノベーションの種がありますので、相互理解する力やそれを大切にする機会を得て、それぞれの企業における女性活躍、D&Iを進めていただければと思います。

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三石:「目的」という最初の握りが重要なのではと感じました。そのスタートラインについて、補足があればお願いします。

猪熊さん:数合わせでとりあえず女性を管理職にした企業では、実力が伴わなかったり支援される環境がなかったりすることで、メンタルに不調が出たり引きずり下ろされたりした女性たちもたくさんいたんです。
それぞれの企業で目的は違うと思うんですが、「納得度の高い目的を設定すること」「それを社外にPRするだけではなく、きちんとインナーPRをしていくこと」が重要です。
女性たちも非常によく見ていて「なんとなくやっている」「対外的に行っている」というのは気付くので、「本当に私たち(社員)のことを思ってくれている」「会社のためを思ってやろうとしている」ということが誠実に伝わるようにするとよいと思います。


猪熊さん、ありがとうございました。まずは目的をきちんとつかむことの重要性、そして、環境面では、性差の知識を持ってマネジメントを変えていく「ソフト面」と、経営体制の「ハード面」の両輪をまわしていく必要があることを教えていただきました。



D&I/女性活躍推進の事例紹介

続いて、実際の企業の取り組み事例を、担当者の方にお話しいただきました。

①ソフトバンク株式会社での事例

【登壇者のご紹介】
木戸あかりさん

ソフトバンク株式会社
コーポレート統括 人事本部
人事企画統括部 人事企画部 ダイバーシティ推進課 課長

組織の立ち上げから継続してダイバーシティ推進を担当。

木戸さん:ソフトバンク株式会社では、「情報革命で人々を幸せに」という企業理念のもと、従業員数約2万人弱で事業を展開しています。これまでも新しい働き方を牽引してきたと自負しておりますが、2017年からは「Smart&Fun!」をスローガンに掲げ、業務の効率化に加え、イノベーティブ、クリエイティブなことに時間を使えるような働き方改革を行ってきました。

具体的には、「コアタイムのないスーパーフレックス制度の導入」や「副業の解禁」、最近では「在宅勤務の全社導入」などを実施しており、「多様な人材が活躍する、強いソフトバンク」を目指しています。

ダイバーシティを重要な経営課題と位置づけ、まずは女性の活躍推進に焦点をあて、有識者を仇バイザーに迎えた女性活躍推進委員会を設置して取り組んでいきます。
(2021年6月22日 社長メッセージHP)

女性活躍推進では、昨年、社長が改めてこのようなメッセージを発信しています。トップのコミットメントのもと、「2035年までに女性管理職比率20%」を目標に掲げ、2021年7月、女性活躍推進委員会を設置。役員だけでなく外部の有識者の見解もいただきながら取り組みをすすめています。

私たちが実際に行っている取り組みとして、全社員の意識調査の結果にポイントを絞ってお話しします。

「管理職になりたいと思いますか」という問いに対し、約40%の女性が「管理職になりたい」と回答し、男性と比較すると低い結果となりました。「管理職になりたくない」という女性からは、その理由として「自信のなさ」や「働き方への懸念・不安」が挙げられました。

それらを解消する手段として、一緒に情報交換をしながら考えるきっかけをつくる「女性向けワークショップ」や、管理職の先輩1名とマッチングし、管理職になるうえでの悩みや不安を話せる関係性づくりを行う「メンタープログラム」を実施しています。

また、男女関係なく、「管理職向け研修」として「ダイバーシティマネジメント研修」や「女性活躍推進やジェンダーギャップについて学ぶ機会」を設定したり、「アンコンシャスバイアスeラーニング」を実施したりして、無意識の偏見に気付く機会の提供をしています。

「"多様な個人の力を結集して強い組織をつくる"ことで、事業が展開できる」という考えのもと、これからも取り組みを続けていきます。

三石:義務ややらされ感ではなく、「Smart&Fun!」という当事者意識のあるスローガンが入りやすいと感じました。自信を持ちにくいという理由に対して、当事者への対話の機会を積極的に設けていること、考え方の変化を全方位に進めていることが印象的でした。

猪熊さん:管理職になりたい女性が40%、というのは多い方だと思います。他の企業では、「管理職になるなんて考えたこともない」という人が多いんです。トップの方々がきちんと経営課題だと認識していることが非常に重要かと思います。女性活躍推進は研修だけで終わりという企業も多いんですが、家事や育児と両立できる働き方を実現できるまで経営改革をしないと、絶対に変わらない。当事者の気持ちに寄り添った取り組みと、本当に経営として変えていかれていることが、他の企業の参考にもなるのではないかと感じました。



②パーソルキャリア株式会社での事例

【登壇者のご紹介】
小松由さん

「タニモク」・モクサポプロジェクト コミュニティディレクター

パーソルキャリアにて人事・組織開発/経営戦略・MISSION推進を担いながら、娘の生きる未来が希望にあふれる社会にしたいとコミュニティづくりを行う。

あらゆる組織の力を「対話コミュニティ」によって引き出すべく、コミュニティディレクターとして参画。

小松さん:私からは、「目標を応援しあうコミュニティによって、多様性を活かす組織づくりへ」をテーマにお話しします。

パーソルキャリアでは、「タニモク」に続く取り組みとして、目標をサポートしあうコミュニティ、『モクサポ』をつくっています。「タニモク」のメソッドを使って、社員の「働きがい」を見出す支援をしたいと考えたのがちょうど1年半くらい前のことでした。
リモートワークが急速に進み、「他の部署の方と関わる機会が全くなくなってしまった」「部署の人としかコミュニケーションの機会がなく、困ったときに誰に何を聞いたらいいのかわからない」という声を多く聞くようになり、そのつながりをつくっていきたいと考えたんです。

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小松さん:その取り組みの中で行った働きがいワークショップは、「タニモク」と同じように3・4人が1組になって対話を行います。他人からみた自分の「好きなこと」「得意なこと」「役立てること」を見出すことで、働きがいにつなげていく・気付いていくワークです。

しかし、「タニモク」も働きがいワークショップも、単体で行うと「その時は気付きを得られるけど、その後は忘れてしまう」など、【継続】という点がテーマになっていました。

そこで、コミュニティを切り口に、「タニモク」の効果を継続しながら社員の成長を支援できないかということで、『モクサポ』(=目標をサポートするコミュニティ)が誕生しました。月に1回、つながる機会をつくっています。

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小松さん:モクサポでは、「タニモク」や働きがいワークショップを受けたメンバーが、Microsoft Teamsを通じてゆるやかにつながっています。お互いに目標をたてあうので、「目標をフォローしあう」「いい意味でおせっかいをしあう」つながりができるんです。

「タニモク」で目標設定をして、働きがいワークショップで自己理解をして、行動の促進がされる。さらに、みんなで支え合いながら支援しあうという取り組みになっています。
Microsoft Teamsでのやりとりをみていると、「こんな働きがいを見出しました」と、言葉でギフトを贈りあうという交流もあります。

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小松さん:正式な発足から1年ほど経ち、現在の参加者は130名を超えています。組織内の役割にも変化が生まれて、現在、トピックスの発信などは私が行っているものの、企画運営は7名の有志メンバーが中心になって活動してくれています。

コミュニティ参加者の特徴としては、女性が9割ということが挙げられます。この企画を立ち上げたとき、特別「女性に集まってほしい」と考えていたわけではないのですが、先ほどの猪熊さんや木戸さんのお話から、「自信がない」「漠然とした不安を抱えている」「誰かに話したい」というニーズがあるのかなと感じています。

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小松さん:これまではコロナ禍でコミュニケーションがなかなか取れないという状態でしたが、メンバーがゆるやかに密につながっていくことで、やる気が高まったり、行動の連鎖が起きることで働きがいを実感したりといった効果を感じています。

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小松さん:モクサポというコミュニティを運営して、改めて気付いたことがあります。「利害関係なく聴き合えること」「Giver精神でいい意味でおせっかいをしあえること」「思考の枠を拡げられること」の3つです。他者とのよい関係が生まれると、「サポートをしていきたい」という内発的な動機が生まれ、それを行動に移すことで自分の思考も拡がり「挑戦してみよう」と思えるのだと感じています。

ご参加いただいている方の中で「具体的な取り組みを知りたい」とお考えだったり、「1人で悩んでいる」という当事者の声を聞いたりしているご担当者がいらっしゃれば、こういったコミュニティが一つの参考になると嬉しいです。

三石:私たちの取り組みは、ボトムから入ったんです。「選択肢を拡げて働きがいを見出していこう」と考え、行動していったところ、大きなうねりになり、ダイバーシティにつながっていったという経緯があります。経営と両輪を握りながら加速させていきたいというのが、私たちのこれからの願いでもあります。

猪熊さん:女性たちに「自信がない」というのが女性活躍推進の大きな課題なんですが、自信って自分一人では身に付けられないんですよね。ではどうしたらいいかというと、「自分の価値観や視野が広がる経験やサポートを得ること」「自信を持てる環境に身を置くこと」が大切だと思っていまして、モクサポのように、みんながポジティブな関わり合いをしている中に入ると、自信を持つことにつながるのではと感じました。


当事者に寄り添った取り組みの具体例や、コミュニティの効果についてお話しいただきました。女性のニーズと、企業の目的、取り組みがうまく噛み合うことで、大きな流れが生まれていくと感じました。
木戸さん、小松さん、貴重なお話をありがとうございました。

今回のイベントの様子は、グラフィックレコーダーの上園まりんさんにまとめていただきました。上園さん、簡潔にまとめていただきありがとうございました。

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参加者の声

「タニモク」フェス第1部にご参加いただいた方の、感想の一部をご紹介します。

●D&Iや女性活躍推進上のよくある課題と、対応策のヒントがあって参考になりました。

●トップコミットメントの重要性と、目的設定とニーズの把握がまず大事なことが理解できました。

●研修をして終わりになることが多いですが、もっと社内の改革が必要だと思いました。自分の目標は何なのか、改めて考える必要性を感じました。

●男性と女性の性差によって女性活躍推進の捉え方も変わるため、社会全体がこの考え方を持つことで、女性活躍のスピードも増すのかなと感じました。

●コミュニティ運営は、組織への帰属意識などの強化にもなるように思いました。

●まだ弊社では取り組めていない部分が多いので、今後参考にしていければと思います。

●具体的に取り組まれている上での結果を知ることができました。他社の取り組み事例をなかなか聞く機会がないので参考になりました。

多くの方から、嬉しいお言葉をたくさんいただきました。今回のお話が、D&I、女性活躍推進の参考になれば幸いです。



後編(第2部)に続きます

第2部では、参加者の皆様に実際に「タニモク」のワークショップを体験していただきました。
他者から提案された目標の例などもご紹介していますので、後編もぜひご覧ください。

「タニモク」についてもっと知りたいと感じた方は、公式ホームページもご覧ください。
定期的に専任のファシリテーターが実施する「タニモク」を開催しているため、興味をもった方はぜひ体験してみてくださいね。


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